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「うさちゃぁあん、キッーク!」
愛らしい声とは裏腹に、とんでもなく鈍い音が
ミシ
保健室内へ響いた
さきほど『現実』と判断したはずの脳に、疑念が沸くような、そんな光景だった。
でも
「______ 」
「「______」」
「_____」
「、、、っ、ふ____、は」
続いた、いくつかの声に自分が安堵したのは
漏れた息で分かって。
「ぁぁ……」
心底嫌になる。
何に安堵したのか
何を怖がったのか
何から逃げようとしたのか
「っ」
再び漏れそうになった息を意識的に止めて、吸い込む
「いや、ハルヒなんで正気なんだよ」
だから
ため息の代わりに、苦笑と共に零れた言葉にどうしようもないなぁ。と吐き出してしまいたかった。
ちょっと自分が面倒臭すぎて。
着替えている途中に知らない男が入ってきて、動揺しないなんて、もはやそれ自体が事件じゃないか?
違うか?
私が動揺しすぎなのか?
それは、
「そうなのかぁ…………?」
いや違うでしょ。
私は隣のベットに腰かける。
ふわり、という今までに経験したことのない柔らかさのそれに腰を埋めて
騒がしいカーテンの向こうへ視線をあげる。
仕切られて見えないが、ホスト部員が喋っているのだけは分かる。
私の動揺なんて知りもしないであろう彼等の騒がしさは、いう通り騒がしいはずなのに
「……、」
騒がしいのは嫌いじゃない。
楽しいならむしろ好きだ。
だから、彼等のハルヒを巻き込んだドタバタが面白くないと言ったら、嘘になる。
んだけれど、ハルヒが『女子』で彼等が『男子』というのだって______.
「…」
そこまで考えて、やめる。
これでは本当に、ただの八つ当たりだ,
今回、ホスト部員に何の非もない。
侵入は確かにあった。
それに私が驚いただけ
どうやら「侵入者」に関してはかたがついたようだから
ベットから腰を上げ、もう一度息をついた。
「まあ、何にしても」
今日、私が考えるべきことは、そんなごちゃごちゃとしたことじゃあない。
だいたい初めからわかっていたことだろう?
だから、私が思うのは
「ハルヒはもう少し危機感あってほしいなあ」
ただ
.
.
.
それだけである_____
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作者名:きゅういち | 作成日時:2020年1月28日 20時