イナギャラ〜厨二病っぽい彼女は、あの人の妹でした〜

１０話の氷漬け ページ11

「九坂隆二。…特に何もしてないっす」


「真名部陣一郎…サッカーは初めてだけど、問題ありません。すぐにうまくなりますから」


「……、あはは…」

キャプテンは何とか、苦笑いで流している様だったが…神童はかなり、お怒りのようだった。サッカーに、きっとかなりのプライドがあるのだろう。


「僕は皆帆和人。見たところ、このチームの頭脳派担当は僕になるようだね」

「！」

「…サッカーの経歴は…！？」


「初めてだね。いわゆる、初心者ってやつだ」


「じゃあ僕と変わらない…」


…何やら頭脳派を巡る戦いが起きそうではあるが、私には関係ないので知らぬふりをしておこう。
それよりも神童の苛立ち振りを見ているだけで、何やらこちらまで胃が痛くなりそうだった。


「次は！」

「！う、うぇ…も、森村好葉……、です…」

「で？サッカーは！？」

神童の問いに、好葉は思いっきり首を横に振る。次いで彼は、私の顔へ鋭い眼差しを注ぐ。


「っ、最後の一人は！」

『…刹那A。バトントワリングをやってた』

「…サッカーの経験は？あのプレーで、ないわけではないだろう」


『経験があっても、初心者であることに変わりはない』

「くっ……」


事実、"私"はサッカーなど、お遊びでしかしたことがない。無論、兄さんの妹として恥ずかしくないレベルには、至っていると思うけれど。


「コーチ！このメンバーの選定基準は！？」

「…基準も何も、黒岩監督が選出したんだ。私にも分からんよ。だが理由はどうあれ、この12人がイナズマジャパンだ！」

『……』


そして暫くの後、スタジアムのドアが開き、監督と共にもう一人、見覚えのある姿が現れた。


「紹介しよう。このチームのマネージャーだ」


「…水川みのりです」


『……』

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