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「にしても穴だらけだな〜」
もう一度戻り、辺りを落ち着いてよく観察するアリババ。
確かに穴だらけだ。
「全部同じに見えるし…」
「アリババく〜ん!アスタリアおねいさーん!」
こちらに向かって大きく手を振るアラジン。
なんだなんだと思いつつもアラジンのもとへ向かった。
「見ておくれよ!この穴の隣の壁に、何か描いてあるんだよ。」
「え?どれどれ…?」
「本当だな」
アラジンが指差す所にはうっすらとバツ印がかいてある。
他にもあるのかと探す事にした。・・・まぁ、大体予想はついたが言うのは野暮だろう。
・
「〇、×、×、〇…あと▽…?多すぎてわけがわからないね〜」
うなりながらあおむけに寝転がるアリババ。
アラジンも寝転がりながら地面に記録した印たちを見て頭を悩ませてるが、まだ気づかないんだな…。
「〇印が正解の道なんじゃあないかな?」
アホ。雑すぎる結論やめい。
………流石にそろそろ言うか。
「印のついている穴が間違いだろ」
ため息混じりにそう言うと、驚きの声が飛んでくる。アリババお前は遅かった。
「まず、アラジンの言っていたことがあっているとして…〇印がかいてあるところが正解だとしたら、その場所にはなにがあった?なにがあったら、正解とされる?」
「えーっと…宝物庫?」
「最終地点はそこだろうな。だが、だとしたら〇が多すぎないか?宝物庫がこんなにあるわけないし、道が繋がっている程お優しい造りとも思えない。つまり、記号の種類だのなんだのは関係ねえのさ。
そしてゴールに続く道には、全員死ぬ程つら〜い過酷な試練がある。こんなホイホイ簡単に戻ってこれる道じゃない。だったら、だれも死ぬわけないだろう。とっくの昔に攻略されているハズだ。でも全員死んでる。
じゃあ、どこで死んだ?逆に戻ってこれる場所はどこだ?」
「…?うーん…もう少しで、よくわかりそう…」
「戻ってこないと、こんな記号は書けないだろ。道の横に一つ一つご丁寧に書かれてるんだ。その道に関係ないわけがない。じゃあ何故記号を書く。私だったら、帰ってこれたら印をつける。
こんな似たり寄ったりの道、もう一度同じ穴に入るかもしれないだろ?そんなの勘弁。
死んで骨になるのがアタリ、生きてガッカリするのがハズレだとするとだ」
「…!印がないところがアタリだ!!」
「御名答。ちなみにアタリはあそこだぜ」
アリババ、精進しろよ。
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