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ズンズンズンズンとアリババは恐れることなく道を歩いていく。まぁ若さだな。
その後ろをトボトボとついてゆくアラジンはトボトボと後ろを歩き、私はアラジンの横を歩く。さーてどうなるか……
「いやぁー、ついに来たーっ!ってカンジだよな。お宝手に入れて、あのオッサンおどろかしてやろーぜっ!なっ、アラジン!アスタリア!」
「…」
どーするのかとアラジンを眺めていたら、興奮状態で周りが見えず笑うアリババの足を、むんずっと掴み引っ張って思いきり転ばせた。
顔面で行ったしすっげえいい音したし笑ったけど痛そうな音だ。
「何すんだよ!!」
「うーん…なんかこの先は怖いから…戻ってどの道を行くか、もう一度ちゃんと考えようよ!」
アリババはアラジンの提案にも乗らず鼻を抑えながら「何言ってんだよ!?」と声を荒げる。おいおい…。
「勇気を出して進もうぜ。そうすればお宝にたどり着けるんだ!」
「勇気と無謀は別物だぜ。それに、1つ言っておく。そのまま進むとさ、」
「着く前に、死ぬぜ」
しりもちをついたままのアリババを見下ろしてそう言うと、アラジンが物凄い勢いで首を縦に振っていた。やけに冷静だと思っていたが、アラジンは来てからしばらく待ってたし興奮も落ち着くわな。
しーんとしたその場で、アラジンが口を開く。
「アリババくん、言ってたじゃないか。ここは、十年誰も帰ってこられなかった「死の穴」だって…危ないところだからなおさら、道がいっぱいあるなら、迷わなきゃいけないと思うんだ。
僕らの夢をかなえる大切な迷路だから、ね?」
「とにかく落ち着け。ここは大勢の墓場だ。そんな状態で突き進んでもお前の墓場になるだけだぞ」
二人で諭すと「そ…そうだよな〜」と頷いた。
まぁ、寿命が伸びて良かったな。
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