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「王様…なんのことか、わからないけど…僕は…
おにいさんのこと、そんな大した人じゃないと思うよ」
わあわあと喚いていたクソ領主がその言葉に固まる。絶望した顔だ。
もっと性格がマシだったら誰かの眷属くらいにはなってたかもな。少なくとも、王には到底なり得ない。チーシャンのように、一領主がいいとこだ。
「大丈夫かい?アリババくん。」
「大丈夫も何もねーよ!お前…スッゲーな!さっきのはなんだ?精霊か?魔法使いなのか?お前、一体何なんだよ…。もしかしたら、俺なんかと全然違う、スッゲーやつなのかもしれねーなぁ」
…アリババはこういう人間か。私が気に入った訳だな。
「・・・・・何って…アリババくん、僕は君と迷宮攻略に来た、君の友達さ!
さあ!冒険の続きをしようよ。宝物庫を探そう!」
「おうっっ!!」
アラジンに支えられてアリババは立ち上がり、ニッと笑い元気よく頷いた。
…お気づきだろうか。アラジンもアリババも、私が姿を消してから何も口に出していない。いくら二度目とはいえ、ちょっとくらいあれ、アスタリアは?とかあってもいいんじゃないかと思う。
「…あれ?そういえば、アスタリアは?」
「言われてみれば…あ。おねいさん、また姿を消してるんじゃないかい?おーい、おねいさん!!」
おっっそ。
ちなみに私は金属器と思わしき置物のそばにいる。
魔法を解いて姿を見せると、二人はわっと駆け寄ってきた。
またやいのやいのと言われていると、アラジンの笛と金属器らしき壺が共鳴するように輝く。
アラジンがそっと人差し指で触れると、
壺は強く光を放ちだし、周りのものが音を立て割れ、強い風を吹いた。
吹き飛ばされないよう耐えていると、突然等塔の上が破壊され、とんでもなくデカい青いジイさんが現れた。多分ジン。
でっっっっかーーー………
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