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「見えない鎖が切れるころ・・・一緒に太陽を見に行こう!」
こういう言葉、私はわぁまぶしいとしか思わないけど、捻くれたりどん底にいる奴からすれば怒りしか感じないだろうな。
「知った風なことを言わないで…。私たち、奴 隷の人生がどんなものか…少しも知らないくせに!!」
こんなふうに。
彼女の足元の地面がベキベキグシャグシャとへこむ。裸足なのに流石ファナリスとしか言いようがない。
そのまま地面をへこませながらこちらへ走ってきて壁も登ってきた。わぁすげー重力どこ行った。
「おらアラジン、とっとと上昇しないと追いつかれるぞ」
「待て!!」
アラジンに注意を促すとターバンは上昇し、彼女が布を掴む前に上の階に到着した。
・
「わあああ!おねいさんもアリババくんも生きててよかったぁ〜!もう、どうしたの?なんか血ィ出てるよ〜!」
泣きながら喜ぶアラジンは、走りながら私達をポコポコとたたく。アリババは怪我してるから痛そうだ。
「説明は後だ。スゲーもん見つけたんだ行くぞっ!!」
アリババが主体となって扉への道を進み、程なくして辿り着いた。
「この扉は…!?」
・
「…僕、これ知ってる」
アラジンはドアを見ながらそう呟いた。
はてさて、最悪ぶち壊すかと悩んでいたらまさかの驚き。
「僕がウーゴくんと一緒にいたがんじょうな部屋にも、これと似た扉があったんだ。
開けるときはね、こうやるんだよ。えっとね…セリフはなんでもいいんだけどね…う〜ん…」
そう言いながらドアに手をつき、グググと押すとドアの隙間からルフが出て来た。もうこれ確定。何故か四人目だけどコイツはアレ。来てよかったー。
「ひらけ〜っ…ゴマッ!」
そんな意味不な言葉を言うと、扉は大きな音を立てて自動的に開いた。
立ち込めていた埃等が散って行き、眼下に広がるのはある意味宝よりも価値のある古代都市だった。
これは、また…驚きだ。
「・・・・・はぁ〜・・・・すげぇ・・・・こりゃ、お宝どころじゃねぇ…未知の古代都市そのものが眠ってやがった…!」
私達の言葉代弁してくれてありがとさん。
「なあアラジン、時雨、行ってみようぜ!この町のどこかに俺たちの目指す「宝物庫」があるはずだ…」
アリババがこちらをを振り返りながら笑った。
…そういや、目的は宝物庫か。そういえばそうだった。宝物庫にいかないと出れやしねえ。
まずはあの一番目立つ塔か。
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