俺の隣人はコミュ障らしい3【おそ松さん】

90時間目 ページ18

〜夢主side〜







『…………行ってきます。』




曇り空の下、




重い足取りで私は家を出た。









今日も、つまらない1日が始まる。






アイツの居ない、クッソつまんねー1日。





もう一生会えなくなったりしてね。


…………それは絶対に嫌だ。








沙耶「A、おはよ。」
『……沙耶ちゃん。』

沙耶「大丈夫？最近元気ないよ？」
『…………ん。』
沙耶「“彼”と、なんかあった？」
『……………ッッ。』




何でだろう。





アイツの名前が出る度に、

いちいち体や、脳が反応する。





違う、

そんなはずない。




『………ッッ、別に？何でもないよ。』
なんて言って、

作り笑いして、




私は今日も自分を偽った。









会いたい。



触れたい。



話したい。





そんな気持ちを押し殺して。







私は、今日も“偽装”という名の仮面を被った。







もう、終わりだ。






もう、会えない。









昇降口で、荒々しく上履きを履き、





力の入らない手で教室の戸を開け、








机の上にリュックを放り投げ、

私はぺたん、と椅子に腰かけた。









視界の隅にチラチラ映る、血よりも赤い赤色。




『…………え、』






組んだ足、





ポッケに突っ込んだ手、





目深に被ったフード、





フード口から覗く、きつく結んだ口、









私の右隣に鎮座するのは、









紛れもない松野おそ松の姿だった。





−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



……………ちょっと昇天してきます。



by作者

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