23話 乗り込む ページ7
敵の姿が完全に見えた。
ケンジさん達が契約しているディメンションポリスのユニットとはまた違うロボットのようだ。
(誰が、カイくんを…)
ケンジさんたちが今戦ってる
(わからない…けど)
目の前の巨大なロボットを見つめる。
(とにかく、この魔法陣を止めなきゃ)
そう思って、僕は中に乗り込んだ。
いつもなら"僕には無理だよ!"と言っているはずなのに、そんな事を考える余裕もなかったみたい。
中に入ったところが悪かったのか、僕の周りには誰もいない。
そのまま適当な部屋に入ってみると、そこは物置の様だった。
入ってすぐの木箱の上に、見覚えのあるカードケースが見えた。
(これ、Aのオラクルユニット達だ…!)
Aが誘拐された時、盗られていたんだと思って、大切にポケットの中にしまう。
しばらくまた誰もいない廊下を走っていると、ようやく敵に遭遇した。
「あいつ、フェアリーテイルか!?」
「構わねえ、やっちまえ!!」
十人十色の武器をもって襲いかかってきた数人は、「お願い、ブラスター・ブレード!!」それだけで十分だった。
倒れて床に転がっている人達を踏まないように、まだ走る。
結局大きな戦いはないまま、大きな地響きとともに、床が1度傾いて元に戻った。
(きっと皆が、魔法陣を止めたんだ)
やっぱり僕がいる意味なかったのかなあ、なんて思ったその時。
フェアリーテイルのルーシィさんが敵に捕まった内容の放送が流れた。
聞いていると、彼女は相当痛めつけられている。
「何でっ…!!」
フェアリーテイルを壊し、メンバーを傷つけ、Aを傷つけ、カイくんまで怪我を負わした。
そして、最大の目的だったというルーシィさんを捕まえて痛めつける。
…どうして、そんな事ができるの!?
気づけば、また走り出していた。
「うぃんがる! 敵がいる所まで案内して!!」
全速力で廊下を駆け抜ける。
そして、辿り着いた先には…
「あン? 誰かと思えば、弱っちいヴァンガードのガキかよ」
「…久しぶりですね」
壁に貼り付けられて身動きが取れないルーシィさんに対して、クナイを投げ愉快そうに笑う、その人は。
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みっちゃん | 作成日時:2020年3月27日 22時