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6章 楽園の塔 ページ17
たまに夢をみて、思い出すのはあの日のことだ。
紅く染まった夜の闇。
燃えた家。
目の前に崩れた瓦礫。
焼かれた村。
彼女と繋いだ手。
逃げ惑う村の人々。
突き放した時の彼女の顔。
自分を捕えたヤツらの下卑た笑み。
地面に体を押さえつけられ、意識を失う最後に見たのは、満天の星空だった。
こんな出来事が起こる日としてはふさわしくない、綺麗な星々が瞬いていた。
遠のく意識の中で、想った。
(彼女は逃げ果せただろうか)
(叶うなら、せめて彼女が無事でありますように)
そして、たとえどんな辛い日々が訪れようとも。
それでも、約束を果たさなくてはならない。
もう一度、自分はここに戻ってくる。
誓ったのだから。
____たとえ、この身が生贄になるのだとしても。
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作者名:みっちゃん | 作成日時:2020年3月27日 22時