18話 ギルドごと ページ2
少し考えてみたけど、やっぱり、自分で取り返したい。
私が契約してるユニットたちだもん。
「ねえミサキ姉」
「どうしたの?」
「私、やっぱり」
自分で、と言いかけた瞬間。
外からズシン、ズシン、という大きな音が聞こえ、地面が揺れた。
「これ、地震じゃないよね?」
「そうね、外に何か…」
カーテンの隙間からは、特に何も見えない。
確認には外へでないと…と思ったその時、診療室のドアが勢いよく開いた。
「ヤベーよねーちゃん達!!」
「ミワ! 入るなら静かに!」
「ゴメンて、でもそれどころじゃねえよ!!」
すぐに私達は屋上に連れ出された。
ズシン、ズシンという音は、フェアリーテイルのある方向からやってきている。
「な…何あれ…!?」
大きいロボット、と言うよりは建物に脚が生えた感じの物体がフェアリーテイルに迫ってきていた。
「ミワ、あれ何なの?」
「わかんねーけど…」
その時、ケンジ兄達から連絡が入る。
『こちら、様子を見に来たチームカエサルだよ!
フェアリーテイルに向かってきているのはファントムロードの本部丸ごとだ!!』
『猶予はないわ。敵がもう砲撃準備をしてる!』
『僕たちで食い止められれば良いんですけど…!』
「本部ごと…!?」
まさか、そこまでしてフェアリーテイルを潰したいなんて…
『とにかく、こっちは僕たちに任せてくれ! 一撃なら確実に止めてみせる。』
『でも、その後の増援が欲しいわね』
それを聞いて、私がやらないといけない気分になった。
『私…私行く!!』
『ダメよ、Aは怪我してたんだから、安静にしないと』
ミサキ姉に止められても、それでも私は…!
『私はもう大丈夫。エンジェルフェザーのユニット達の治療は的確だし、もう完治してるよ。
それに、私のオラクルのユニット達取り返さないと…』
『とにかく時間がない! 頼んだよ!!』
ケンジ兄がそう言って通話が切れるかと思った瞬間。
『カイくん!!?』『カイ!!』『カイさん!!』
カエサルの面々の叫び声が響いた。
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作者名:みっちゃん | 作成日時:2020年3月27日 22時