【utit】坂田さん、私、坂田家なんですが、すみません。今日、死にますね【tnrnskt.】

死ぬまで残り２７分 ページ4

『にぃちゃんは、なにか辛いことがあって、死にたいって思ったん？』

「･･･そう、ですね･･･自分自身に･･･絶望したからですかね･･･」

悲しそうに微笑むにぃちゃん。
僕は、その表情に胸を痛めた。

『絶望の原因は･･･なんなん？』

「大学です。あと、自分の性格･･･」

『自分の性格？』

「･･･暗くて、人見知り･･･自分の意見すら、ろくに言えない･･･そのせいで、いつも人のことを怒らせてしまう。だから、絶望してしまったんです」

自分の意見すら、ろくにいえずに、人の言ったことを素直に受け止めて、鵜呑みにして、いつもそのせいで傷付いて、泣いてしまう。
僕の学生のころと、にぃちゃんが重なった。

「･･･大学では、それのせいで友達と言える友達が出来ず、話しているとはいえ仲がいいとも言えない関係が続いてて、ずっと孤立してる状態で･･･どうすればいいのか、分からなくて･･･」

そんな自分が嫌で、逃げ出したくても、誰かに助けを求めたくても求める相手すらいなくて･･･
その気持ちが僕にはよく分かった。
僕も、そうだったから。

「･･･もう、全てが嫌なんです。投げ出したい、忘れたい･･･事故が起こったり、急にいじめにあったりすれば、引きこもる理由も出来るのに、そんな都合のいいことは起こらず、心の重荷が増えていくだけ･･･もう、生きていく気力なんて、私には、ないんです･･･」

少しずつにぃちゃんの声が小さくなっていく。
なんて、小さいんだろう･･･
なんて、弱々しいんだろう･･･？
なんでこんなに、愛しい？
僕はにぃちゃんの頬をそっと撫でた。
にぃちゃんは、それに驚いて顔をあげる。

『にぃちゃん･･･別に、泣いてええんよ？僕の前では』

「さ、かたさん･･･？」

『･･･ここじゃ、人の目を気にしちゃうか･･･外、行こっか？』

「え、あ、はい･･･」

にぃちゃんの手を引いて、お会計を済ませて外に出た。

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