【utit】坂田さん、私、坂田家なんですが、すみません。今日、死にますね【tnrnskt.】

死ぬまで残り１０分 ページ21

楽しそうな雰囲気から、急ににぃちゃんが悲しそうな顔をして暗い雰囲気になった。

「･･･坂田さんは･･･私のこと救いたいって思ってくれてるんですよね･･･」

『まぁ、できたらやけどね』

僕がそういうと、にぃちゃんは僕の方を見るのをやめ、下を向いた。
ふとにぃちゃんの手元を見てみると、にぃちゃんが自分の服の裾を握っているのが見えた。
･･･にぃちゃんは死にたいって思っているけど、救われたいとは思っていないのかもしれない。
でも僕は救いたい。
だけど、にぃちゃんの決意は固いから、どうせ死んでしまうからと思って暗い雰囲気になっているのだろう。

『にぃちゃん･･･僕ね？･･･にぃちゃんが例え止めないでって言われても、僕はにぃちゃんのこと止めると思うんよ。だって』

好きなんだから。
にぃちゃんはだっての続きが気になるのか、下がっていた顔を上げて、じっと眉を下げて僕のことを見ていた。

『･･････にぃちゃんがこんなにもええ子やって僕分かったんやで？死んでほしいなんて思うわけないやんか。死なせたないって誰でも思うで？』

「･･････そう･･････ですか･･････」

好きだなんて言えない。
今にでも言いたいけど、絶対に君には好きと言っちゃいけない。
もっと、会えるんだったら違うところで出会いたかった。
同い年の同級生で友達とか、幼馴染みとか･･･
それだったらきっと、君に好きと言えたのに。
･･･もどかしすぎて辛いよ。

死ぬまで残り９分→←死ぬまで残り１１分

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す