なんでもアリな歌い手様短編集【(ほぼ)usss】【NL.BL.GL】

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*センラside



俺の言葉にはっと息を飲んだ天使は、今、信じられぬことに俺の腕の中だ。


俺より背が低いから、すっぽりと俺の腕の中に収まっている。


それがまたなんとも可愛くて、俺を興奮させる。


男らしい肉つきの身体とは反対に、今俺を見つめている彼は、赤面に涙目となんとも弱々しい。



「急にごめんな」



でも、志麻に嫌われるのは嫌やから。


だから、




嫌やったら逃げてええ。



でも、



「俺のこと好きやったら、、、そのまま目ぇ、閉じてくれますか」




近づいていく、二人の顔。



ああ、これで逃げられたら俺、どないしよう。



ふっ、と思わず苦笑がもれる。



でも、もう後戻りはできない。



これは、俺の気持ち。そして１つの賭け。



たとえ負けても、後悔だけはしたくなかった。





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*志麻side



センラのしたキスは、とても甘かった。


俺が何年も頭で思い浮かべて、でも心に閉じ込めていた感情たちが、一気に流れ出してくる。


抱き締めてくるセンラに、
ああ、センラってこんな男らしかったんやな。
なんて本人が聞いたら怒られそうなことを考える。



近づいてくるセンラの顔。


綺麗な目。優しい顔。匂い。雰囲気。……それと、声。



こんなに好きなのに、こんなに好きな人なのに、断る理由なんて１つもなくて。




俺はそっと、目を閉じた。





ああ、こんなの期待してしまうだろう。


こんな幸せに出会ってしまったら、失うときがきっと怖くなる。


でも、手を伸ばさずにはいられなかった。



大好きな人、センラとのキスは、のぼせてぼーっとした頭でもよくわかるくらいに愛おしく、そしてとても甘かった。







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