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「何度繰り返したら気が済むんでしょうね」
「るせーな。ここから早く出せよウサポリ公」
「チッ..それが人に頼む態度か馬鹿が」
これで何度目だろうか。
部下に聞き豚箱に向かえば見飽きた光景が目に入り無意識に溜息が出る。
面倒臭え。
そう思いながらも電話で何時も通り解放を要求し、うざったそうな左馬刻を連れて車に戻る。
「銃兎、煙草よこせや」
「人の車で寛ぎやがって御前な」
「まあそうピリピリすんなって、悪徳警官さんよぉ」
コイツに何を言っても無駄だ。
逆にこっちが苛々してしょうがねぇ
自分の分、と一本の煙草を口に咥えてから車内の二列目に寝転がってる奴に適当に放る
「はぁ..そういや、家で理鶯が待ってる」
「あ?何でだよ」
煙草に火を付け一服してから告げると予想通りの反応。
「知るか。どうせ御前が腹減ってると思って、また何か作ってるんじゃないか?」
俺が面白そうにそう言うと、左馬刻の肩がピクリと揺れる。
こんな話は普通冗談と流すが、理鶯に限っては現実にあるから恐ろしい。
「..おい銃兎、この前の借りチャラにしてやっから「その借りは既に無かった事になってる筈だが?」
「..糞が。」
「まあ今回の罰だと思って全部食うんだな。理鶯も喜ぶだろ」
面白く無さそうに脚を投げ出し、煙草を噛む左馬刻を尻目に俺は家へと車を走らせた。
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作者名:綸彗 | 作成日時:2018年10月19日 0時