こっち向いて、私を見て【九井一】

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「お、ココ、ここにいたのか」

「！！」



俺の心は何度も泣いていた。

近寄ってくる奴は皆金目当てだし、赤音さんを失った傷がまだ残っていて。唯一従えるのも信頼できるのもイヌピーだけ。


佐野Aを突き飛ばすように自分から剥がすと「お尻打った！」と半泣きで叫んでいる。立ち上がってすぐに部屋から出る。イヌピーの肩を叩くと、「大丈夫か？」と声をかけられた。



「ココ、顔が赤い」

「黙ってろ」



気持ちをすぐに切り替えて、「行くぞイヌピー、A」と振り返り声をかける。二人はすぐに反応して、一番の反応を見せたソイツが目を大きく開けてすぐに笑った。



「初めて名前で呼んでくれた！！」

「うるせぇ早くしろ」

「やだ聞いたイヌピー？！」

「あぁ」



武蔵神社に行くとそこにはすでに創設メンバー含む幹部が何人か。マイキーもいて「A、よく来たなえらいえらい」と年上なのにも関わらず褒めていた。


「来ねぇとコロス♡」というメールが来たとAは言っていた。何がえらいよ！と半ば怒りながらマイキーの元に行くソイツが「ひぇっ！」と声を上げて、俺のところに戻ってくる。



「何やってんだてめぇ」

「だだだだだって、圭介が！」



場地が現れた途端に顔を赤くしては俺の背中に隠れてくる。壱番隊隊長、場地圭介か。この前、タイマン張られて喧嘩したが結局勝敗はつかなかった。あの時も思ったがコイツは、佐野Aに惚れている。



「おい、Aこっち来いつってんだろ！」

「やだドラケン！三ツ谷、ヘルプ！ああああ千冬くんどこ行った！！」



俺の後ろにいるAを掴み担ぐ場地は俺を睨むとその場から離れて幹部メンバーのところへと戻っていった。



「……………おい、A」

「え？」

「終わったらイヌピーと飯食い行く約束忘れんなよ」



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