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関係に「恋人」という言葉がついて、二週間が経った。あれからお互いに任務が入りすれ違っていた。だが、非番の今日、屋敷でゆっくりとしていれば縁側から二つの声がする。
襖を開けて、眩しい光に目を細める。そこにいる小さい餓鬼から「もう11時だよ!」と言われ、時計を見ればそれだけ眠っていたのか、もうすぐ午前が終わろうとしていた。
「ーーーおはよう」
俺をみて、微笑む女のその言葉に、「……おはよう」と返す。あぁ、自分の惚れた女が自分に微笑んでくれるだけでこんなに胸が躍るのか。
お昼、一緒にどうですか?と言う風門にあァと頷けば隼人が走って居間の方に行く。「走ったらダメ!」と隼人を叱る風門の腕を掴み、引き寄せてはその唇に接吻をした。
「………あの、不死川さん?」
「………いい朝だなァ」
「もうお昼ですよ」
フフッと笑う風門に、頬を緩める。
「飯食いに行くかァ」と外食に誘えば、彼女はパァッと笑顔になって「作らせてください」と願い出た。
「手料理」その三文字をこんなに早く味わえるたァ思ってもいなく、張り切る風門に「楽しみにしてる」と呟いた。
「御館様に提出しないといけねェ書類あっから、何かあったら呼んでくれェ」
御館様への文と共に報告書を記入する。
普段一人で住むこの無駄に広い屋敷に声が響くこともない。だけど、今日は格別だ。賑やかな声が聞こえ、鬼狩りでの疲れなど吹っ飛ぶ。
「…………悪くねェなァ」
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呑子(プロフ) - 2話のひなき様がひなぎ様になってます (2020年6月11日 21時) (レス) id: b937ad49b1 (このIDを非表示/違反報告)
菜一郎(プロフ) - きゃああああ名前で呼んで欲しいってとこ可愛すぎぃぃいいいい (2020年5月29日 17時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - ぐはっ!告白ぅぅぅ!!尊い!!!死ぬ!!!! (2020年5月25日 23時) (レス) id: c8a359bcaf (このIDを非表示/違反報告)
Ø(プロフ) - こんなに素敵な小説に出会えてよかったです!大変かもしれないですが無理せずがんばってください!応援させていただきます!! (2020年5月21日 0時) (レス) id: 712c3e0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハチハチ1129(プロフ) - 美桜さんの作品最高です!私も逮捕されたい、補導されたいと思いました(*^ω^*) (2020年5月19日 6時) (レス) id: 12ce184d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2020年5月16日 13時