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師範が私を縁側に寝かせ、自分の羽織をかけたのを塀の上から確認する。さっきのは完全に気絶する痛さだ。私でさえも度々気絶するのに、初めてアレを受けたら玄弥さん天に召されるんじゃない?


縁側で眠る私の額を優しく撫でているのを見て、いつも気絶した時あんな風にしてくるのかなってちょっと心の奥が暖かくなる。


師範は「あ、おはぎがねぇ」とこぼすとそのまま買いに行ったのか屋敷の中ではなく玄関の方へと歩いて行った。よし、今のうちだ。


塀から降りて屋敷の中に入る。
縁側で眠る自分に近づいて「起きてください、玄弥さん」と声をかけ揺さぶった。だが全く起きない。自分で自分の頬を叩くのなんて嫌だけどこれしかない。


ーーーバチーーンッッ。

大きな音が鳴り響く。ごめん、私よ。
「いってェ!!何しやがんだァ!!」と声を荒げる玄弥さんに、「私はそんな汚い言葉は使いません!」と喝を入れる。



「あ、Aさん」

「自分に名前呼ばれるのってなんだか変な気分だね。まあ、それよりもなかなか元に戻らない上に玄弥さんに嫉妬してる自分がいるからどうしようかと思って」

「え?嫉妬?」



んー…と考えながら、玄弥さんを見れば結構ボロボロなことに気がついた。屋敷の中から救急箱を持ってきて軽く手当てをする。


どうしたら戻ると思う?と声をかければ、玄弥さんは黙り込んだ。どうしたんだろう、と思えば彼はまた「Aさんが羨ましい」そう言って涙を流し出した。え、これじゃあ私(玄弥)が玄弥(私)を泣かせたみたいに見えるじゃん。



「ごめん、俺の知ってる優しい兄ちゃんだったから……つい……優しくしてもらえるのが嬉しかって……っ」

「…………」

「まあでも、俺って知らないだろうから、いつものようにAさんに優しくしてるんだろうな」



彼はこんなにも師範のことを愛しているんだ。
そう思うと傷まれない思いになってしまう。手を伸ばして抱きしめると、「大丈夫、大丈夫」そう小さく声をかけた。


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設定タグ:鬼滅の刃 , 風柱 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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ぶどう - カッコ仮ってシュタゲかw w (2021年2月4日 21時) (レス) id: 87d010c47c (このIDを非表示/違反報告)
りんごたん - むいくん…( ;∀;)むいくんが悲しすぎる… (2020年3月1日 17時) (レス) id: b6aa212c61 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 伊黒さんのもつくって欲しいです (2020年1月26日 0時) (レス) id: 930d314957 (このIDを非表示/違反報告)
いちゅき - オチはやっぱり実弥がいいですねぇ (2020年1月25日 12時) (レス) id: e629abc83d (このIDを非表示/違反報告)
奈胡 - 毎日楽しく見させていただいてます。ありがとうございます!希望としては恋のパターン希望です〜(*'-'*) (2020年1月25日 3時) (レス) id: 6815733e3d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2020年1月11日 20時

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