弟の想い人に恋をしたはなし【不死川実弥】

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まさか匡近くんが突然結婚報告をしてくるなんて思わなかった。おばあちゃん家で皆が驚く中、彼は私に「実弥も呼んでる」と教えてくれた。あれから3ヶ月経った今日、匡近くんの結婚式。



「匡くん、ちゃんといい人いたのねぇ。Aのことあまりに可愛がりすぎてたから心配してたのよ」



お母さんとおばさんがそんな話をしている中、暇だなぁと式場の中をうろちょろ彷徨っていた。初めて結婚式に参列した。匡近くんのお嫁さんすごい綺麗で優しそうな人だったなぁ。


慣れないパーティードレスに、高めのヒール。
痛みを感じてきた足首を見れば、赤くなっていた。外に出て、日の光を浴びていると声をかけられ振り返る。



「やっぱり、匡近の親族席側にいた子だよね？大学生？」

「は、はい」

「俺、匡近の高校の時の友達」

「はぁ……？」



いとこです、と言えば名前を聞かれ、小さく答えた。

匡近くんとお嫁さんの晴れ舞台を見つつ、私の視線は匡近くんの職場の人たち、つまるところ玄弥のお兄さんばかり見ていた。だから、匡近くんにこんなお友達がいたなんて知らなかった。


玄弥のお兄さん、実弥さんを見るのも3ヶ月ぶりだった。話したいと思っていたけれど、声かけれなかったし、いつのまにか姿が見えなくなっていた。



「ねぇ、聞いてる？」

「…………すみません、聞いてませんでした」

「ははは」



なんでだろう。

すごく実弥さんのことを知りたい。玄弥にそれを聞くのも恥ずかしいぐらい、会わなかったこの3ヶ月間考えていた。


外から見える2階のガラスの向こうのシルエットに見つけたとボソリ呟いた。



「すみません、失礼します」

「え？」



断りを入れて、その場から立ち去る。

二階の方に上がっていけば、匡近くんの声が聞こえてきた。その声の場所に歩いていけば、そこにはやっぱり実弥さんもいた。



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