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幾度となく、Aに話を交わされ逃げられる。
わかってはいたが、打たれ弱い俺にとっちゃァかなり痛いことだった。追いかけてやっても良かったが無理に話をしようとしても傷つけちまいそうだった。
だが、彼奴が俺を避け始めて数日経ったころ。
隊士らの間では、俺が振られただの破局しただのと変な噂が立っていた。不愉快極まりない噂だ。
食堂で休憩をしている何人かの隊士たちが、一人でテレビを見ている俺のところに来ては真実を確かめに来た。「Aさんと今どうなんすか」とニヤニヤしている其奴らをにらんだ。しかも近藤さんまで入って来やがる。
「何もねェよ」
「まじっすか?!最近二人一緒にいるところ見ないんでどっちかが振られたのかと思ってたんすけど、そのところは!」
「うるせェよテメェら。ぶっ殺すぞ」
話を逸らせば、隊士の一人が「じゃあ狙ってもいいっすか?」と真剣な顔で俺を見た。反応する俺を微笑ましく見ている近藤さんを目の端に写し、そう宣言してきた隊士をじっと睨み殺すように見つめた。
「俺が良いって言うと思ってのか。彼奴はテメェの手には追えねぇよ」
「俺だって、」
「ダメだつってんだろィ」
気まづくなった雰囲気を他の隊士らが「ま、まあ冗談だよな!」とその隊士の背中を押して言った。話を変え始めたが、少なからず動揺している其奴を見て、俺は腰を上げた。
「どこ行くんすか」と聞いてくる奴らに部屋に戻ると言って、食堂から出て、右に曲がろうとした。ぶつかりそうになり、「あっぶね」と声を漏らし、其奴を見た。
「ーーーまじかよ」
「…………」
そこに立ち尽くすA。
いつからここにいたのだろうか。さっきの話全て聞かれていたのではないだろうか。何も話さず、じっと立ったままのAの顔を覗き込んだ。そして息を飲む。
「お、おい」
Aが顔を耳まで赤くさせていたのだから。
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年9月19日 19時