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「お前、俺の前でAを大事にするって言ったじゃねェか。その言葉忘れたのか」



ーーとは言われたものの、俺は結局動かずに部屋にいた。横になってはずっとその言葉を反芻させながら目を閉じていた。


外の天気が悪くなっているとも知らずに、Aと神威のことについて考えてしまう。彼奴にとって一番大切な奴が神威だとしても、それは大切であって恋愛というものではないかもしれない。考えたどり着くのは結局それだった。



「沖田隊長」



と、襖を開けて覗いてくるザキに用件を聞くと、土方に見張ってろと言われただけだったようで、「雨降ってきましたよ」と天気情報を教えてくれた。外を確かめれば雨が小降りに降ってきて次第に激しくなっていく。


こんな雨が激しいのならば、Aも諦めてきっと帰ってくれる筈だ。再び、畳の上に寝転べば「いいんですか?」とAを心配してくる。



「彼奴も馬鹿じゃねェんだ、じきに帰るだろうよ」

「それならいいんですけど……ってよくないですよ沖田隊長」



「うるせぇ」と一喝し、アイマスクを装着し視界を閉ざした。だが、不意に思っては飛び起きるように身体を起こした。




「私待ってるから!」




ーーー彼奴は馬鹿な女だったと。

外に出ると本降りになった雨が地面を叩きつけていた。玄関へと急ぎ、下駄を履くと傘を持ち門を走り潜っていく。


雨でぬかるんだ道を走ると、泥水が袴に飛び散っていけねぇ。けど、そんなのも気にしねェぐれェ今は急がないといけなかった。自分がやってしまった馬鹿なことで彼奴を傷つけた。


大江戸公園に走って入っていき、中を確認するが誰一人いやしねェ。いつも俺がいるベンチのところまで行くと、そこには傘を差しベンチに座る万事屋の旦那が一人。



「よォ、遅かったじゃねェか沖田君」

「……旦那」



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 夜兎   
作品ジャンル:アニメ
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美桜(プロフ) - non@nqrseさん» 返信遅くなってすみません!興奮したまま最後まで読んでくださいね!それと御指摘ありがとうございます。なおしておきました!まだまだこれからもよろしくお願いします! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 神鬼*conさん» 返信遅くなってごめんね(土下座)珍しくやる気出てきてて、すらすら文が思いついちゃうんだよね笑まだまだ更新早めていきますよ〜! (2018年10月6日 18時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 連続コメントすいません!62話と63話同じになってます!! (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
non@nqrse(プロフ) - 続編御目出度う御座います&有難う御座います!吉原の神威が出て来た所から興奮状態です!!!!更新頑張って下さいいいいい!! (2018年9月20日 13時) (レス) id: 0592968b68 (このIDを非表示/違反報告)
神鬼*con(プロフ) - うおわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!続編おめでとう!更新スペース激早でビックリしてます!むりは程々やで!!楽しみにしてます! (2018年9月19日 19時) (レス) id: af0d4e115f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/  
作成日時:2018年9月19日 19時

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