夜兎女の攻略法.【沖田総悟】

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トイレ…と言ってお手洗いに行った彼の後、私は土方さんに事細かく事情を話した。



「立派なストーカーだ通報すりゃァいい話だろ！」

「し、仕方ないじゃん！こんなか弱い女の子が助けて求めてきたんだから少しぐらい助けてよ！土方十四郎！！」

「お前のどこがか弱いんだよ！！夜兎族だろうが！！」



ギャーギャー言い合っていると、さっきの男がトイレから帰ってきた。「俺、宮本といいます」とイントネーションが独特な彼。江戸の人としか話したことがない私にとっては未知のイントネーションだった。


地球にはいろんなイントネーションがあるんだなぁと感心しているのもつかの間、話をするために来たはずなのになぜかご飯を頼み出した。



「お、おい。こんなところ総悟が来たらただでさえめんどくせェことがすんげェめんどくせぇことになるぞ」

「それだけは阻止しなきゃ、アイツ絶対変なことやらかすもん」

「俺じゃなくて総悟を彼氏役にすりゃァ良かったのによ」



それもそれでいやだ。
総悟を彼氏役にした暁には、この宮本さんを滅多刺しにしちゃいそうだし、調子に乗りそうだ。


宮本さんに聞こえないぐらい小さい声で言い合いをする。「何か食べます？Aさん」と私に超スマイルを向けて聞いて来た。



「あ、あの、私名前教えましたっけ？」

「さっきそこの男が言っていたので覚えました」

「(……怖)」



と、取り敢えず…と抹茶アイスを頼んだ。
彼は穏やかに従業員に注文をし、従業員が行ってしまった後、くっそ真面目な顔になっては「で、交際してどのくらいになるんですか」と聞いて来た。

いや、待って。土方さんに「何か食べます？」はないのかこの人。恐るべし。



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