夜兎女の攻略法.【沖田総悟】

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「ま、まあつ、付き合って2ヶ月ぐらいかな！ね、十四郎！」

「お、おう」



私、演技上手いんじゃないだろうか。

出来立てホヤホヤカップルを演じつつ、土方さんに抱きついた。顔を赤くさせる土方さんに内心大笑いをし、「だから、ごめんなさい。貴方とは付き合えないの」と漫画のワンシーンみたいに断った。


「そうですか」と物静かに答えた宮本さん。
だけど、これだけで引き下がりそうな彼ではない。…そう直感した。そしてやっぱり彼は言った。「Aさんのどこが好きなんですか」と土方さんに問い詰める。



「そ、そりゃァ…」



私をちらりと見た土方さんにニコッと笑って、目力で「私の良いところなんてたくさんあるでしょ」とアイコンタクトを送った。土方さんも全力でアイコンタクトを取り、「お前のいいところなんざ、綺麗にシャツ畳むところぐらいだろ！」と。



「(それ言えばいいじゃん)」



そう思っていると、土方さんが私の肩に手を回した。めっちゃ震えているではないか十四郎クンよ。ウブだ可愛いな。



「こ、此奴ァ、いっつも馬鹿みてぇに笑顔振りまいてはハイジのように駆け回ってんだ」

「…………、……や、やだなァ十四郎！す、すき！」



私のいいところとは言い難いけれど、少しは彼に届いたのではないだろうか。

苦笑いを浮かべながら、宮本さんを見ると、彼は私たちをジト目で見つめていた。そして「やっぱり怪しいんで、ここでキスしてもらっていいですか」と言ってきた。



「(……これまた一難、)」
「(此奴、馬鹿だろ。Aがキスなんかできるわけねぇだろ)」



私たちは一緒に白目を向いた。



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