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夜8時に帰宅して、玄関の鍵をあけた。
靴を脱ぎ、ジャケットを脱いで片手にもつと重い足取りでリビングへと向かう。
だいたい電気がついてAがまっててくれるんだけど、今日はそれがなくなんとなく心寂しい。電気のスイッチに手をかざし、カチャッと電気をつける。
ふと、テーブルの上を見て「え?」と驚いた。
普通に、いつも通りに料理が並んでいる。珍しくワイングラスまで置いてある。
「ーーーばぁっ!」
「うわわわっっ?!!!!」
「……あ、ごめんなさい」
後ろから突然驚かされて腰を抜かしてしまった。
大丈夫ですか?と俺に手を貸す彼女をひと睨みして「なんで」と聞いた。するとAは「どっきりです」と笑って俺からジャケットと鞄を預かった。
「偶には驚かそうと思って」
「心臓に悪い」と言いながら椅子に腰掛ける。
いつもより豪華な食卓に「へぇ」と反応していると、Aは「食後のデザートもありますよ」といった。
「ないかと思ってた」
「お菓子作りはあんまり得意じゃないけど…」
苦笑いを浮かべるAが俺のとっておきのワインを持ってきて「どうぞ」とワイングラスに注いだ。
二人で食事を食べて、そのあとAお手製のケーキを。フォンダンショコラとか言うやつで切ると中からチョコレートがとろりと流れてきた。
「Aもワイン飲めば?」
「いや、私すっごい弱いから…!」
「いいからいいから、ほらほら」
つい嬉しくってAにワインを勧める。彼女は少し抵抗しながらそれを口にした。
Aを好きになってから約二年。
毎年、Aからもらえないだろうかなんて考えて見つめていた俺だけど漸くその念願はかなったようだ。
▼
ーーー1時間後。
「まだ飲めます〜!!今日はたくさん飲むんですぅ〜!」
「ちょ、A!寒いのに脱ぐな!」
一杯だけ飲んだのに、顔を赤くさせたAがワインを飲みたがる。おまけに服を脱ぎ出してしまった。
暖房はついているものの下着だけでは肌寒い。
「やめろって!」と脱ぎ捨てた服を彼女に着させ直すとAが駄々を捏ねながら俺に抱きついてきた。
「神威さん好きです、ちゅーしてください」
「はいはい」
キスを強請るAに口づけをしてやるとさきほど一緒に食べたケーキの甘ったるい味がまだ名残惜しそうに残っていた。
「甘いですね」
「うん、すっごい甘い。もう一回しよっか」
「……はい」
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under girlfriend 19→←番外編*バレンタイン
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美桜 - 同じ名前ですね!とっても面白かったです!!もー、ドキドキしながら読みました!美桜さんっ!大好きですうう…友達になって下さい(笑) (2018年8月16日 13時) (レス) id: d5e35b6f92 (このIDを非表示/違反報告)
モモカ - パパになっても要注意…!見てみたい!美桜さんの作品いつもみてます!頑張って下さい! (2018年6月25日 2時) (レス) id: fcf0bdc488 (このIDを非表示/違反報告)
律 - あっ、変態長文コメ申し訳ありませんでしたm(__)m (2018年3月8日 17時) (レス) id: aa3b39441c (このIDを非表示/違反報告)
律 - ゔゔゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ん゙※泣いてます。終わっちゃった……私的夢小説ランキング1位(ぶっち切り)の年上神威さんがぁ…゜゜(´O`)°゜取り敢えず沖田君オチ読む……原作の、美桜さんの神威さん(他作品も)大好きです…愛してます。これからも、頑張って下さい!!!! (2018年3月8日 17時) (レス) id: aa3b39441c (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - ?京華月 桜?さん» コメントありがとうございます!面白く思っていただき嬉しいです。応援ありがとうございます、次回作でも頑張ります!! (2018年2月27日 23時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2018年2月4日 10時