older man 37 ページ39
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「やり直さねェか?」
「え?」
大事な話があるというからついていき、小さなカフェに入り注文を取ると、そーちゃんは何の前ぶりもなくどストレートにそう言った。
昔から何でも直球に言ってくるそーちゃんだったから特に違和感も感じないが、「大事な話」とはそのことだったのか。
「……そーちゃん、私を振った時の言葉覚えてる?」
『ガキと付き合ってられねェんだ。社会に出てわかったんでィ』
思い出すだけでも嫌なのに。
彼は「しっかり覚えてる」と言うと、机に手をついて頭を深々と下げた。
それは初めてみるそーちゃんの姿だった。
いつも私の前ではどこか意地悪で大人だったそーちゃんが私にこうして謝っているのだ。
「言い訳に聞こえるかもしんねェけど、あれは俺の意志じゃねェ。俺は昔も今もテメェを……、Aが好きなんでィ」
「ど、どういうこと?」
ついには私の方がこんがらかってきた。
そーちゃんの意志じゃないのならなんであんな酷い振り方をしたのか。あの頃も今も好きの気持ちに代わりがなければ振る必要なんてなかったはずなのに。
歯を噛み締めるとそーちゃんはその当時のことを教えてくれた。疑っていたけれど、そーちゃんの意志ではないことだけは確かであり。
「……仕事のため」
「あァ」
「……なら、そう言って欲しかったな」
それでもあんな優しさより面と向かって正直に話してくれれば傷つかずに済んだはずなのだ。
彼は「悪ィ」ともう一度深く謝った。
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美桜(プロフ) - 銀皐月さん» コメントありがとうございます!うわわわ、そう言ってもらえて嬉しいです(泣)あんまり甘々にできなかったなァと感じてるんで続編では甘々っぽさを出して行きたいと思います!!年下沖田との同時進行で頑張ります! (2017年12月30日 12時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - 年上シリーズ、第一巻完結おめでとうございます!やっぱり美桜さんの書かれる神威くんは格別です。甘々な彼に、胸もお腹もいっぱいです。が!まだまだ私のお腹は満たされませんよ!笑笑 年下沖田と同時進行、頑張ってください! (2017年12月29日 9時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - りょー。さん» コメントありがとうございます!ホントですか?!ありがとうございます(泣)今回は甘い言葉を年上な神威くんに囁いて欲しくてこうなりました笑自己満ばかりの内容ですがこれからもよろしくお願いします!はい、更新頑張ります! (2017年12月28日 9時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
りょー。(プロフ) - 初めまして!美桜さんの作品は全部ずーっと読んでいて大好きです!今回の神威も言葉には表せないくらい素敵です(ノ)ω(ヾ)ニヤニヤしながら読ませて頂いてます!!更新頑張ってください(●´ω`●) (2017年12月13日 23時) (レス) id: 365e28b0af (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 狛犬と朧月+さん» 朧月さん!コメントありがとうございます!素敵な作品とは程遠いですがそう言っていただけて嬉しいです!はい、更新頑張ります! (2017年12月10日 22時) (レス) id: d3adf571e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ririsa10713/
作成日時:2017年12月9日 10時