年下男子と恋愛中。【神威】

恋愛46 ページ46

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航空チケットには今日の日付と搭乗時刻などが記されている。肩から下げたショルダーバッグからそれを出して、スマホで時間を確認する。




「(今から緊張してきた)」




初めての外国、そして留学。
楽しみ半分不安半分だけれども、それも将来の自分のためだと頑張らないといけない。


友人たちがくれた手紙を一枚一枚眺めて行きながら、搭乗手続きの時間になるまでの間待っていた。




「Aちゃん」


「あ、神威くん…！」




後ろからポンと肩を叩かれて振り返れば神威くん。
少し遅れると連絡が入っていたがここまで急いできたのだろう。肩で息をしながら間に合ってよかったと安堵の息を漏らしていた。




「……なんか、応援になるものあげれたらって思って…」



ずっと考えていたらしい神威くんは、私服のポケットから何かを取り出した。


彼の手に握られている真っ赤なリボン。
それをどうするのかわからなくただじっと見つめていると「手を出して」と。


神威くんの目の前に手を出すと、優しく手を包み込んで薬指にそのリボンを巻きつけた。蝶結びにしたそれに「約束、だから」と神威くんは言って震え混じりの手で小指と小指を絡めてくる。



「ごめん」


「ーーーっ、」




唇と唇が重なり合う。
優しく触れるだけのそれはやがてゆっくりと離れて神威くんは「今日だけは許して」と悪いことをした子供のように謝る。




「へへ……っ、ねぇ神威くん。
私がいない間、他の子に目移りしないでね」


「しないよ。俺、こう見えて一途だし」




保安検査のアナウンスが鳴る中、忘れないようにと優しくそして強く抱きしめてくれる彼の背中に腕を回す。



そこを通過するまでの間、私を見つめていた彼に手を振るとこれから長い間会えなくなると実感してしまう。




「はは、……好き…大好き……っ」




見えなくなって一人、涙を零した。




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明日の朝には完結させます

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