愛して、病んで。【神威】

病6 ページ7

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朝帰り、首筋にキスマークと
浮気してきた証拠をつけて
帰ってきた私を見て

彼は目を見開いた。







『俺の気持ち踏みにじって楽しかった？』






それは今までに見たことのない
彼の悲しそうな顔だった。






『あ……ちがっ……』


『何が違うの？』







彼の言葉に含まれていたのは、
一種の「愛」のある悲しさだった。


そこで気づいたのは
自分がやってしまった浮気の行為への
後悔ともう後戻りできないこと。





『……私は、ただ』


『もういいよ』





「大丈夫、
俺はお前のことちゃんと好きだから」
と私に笑ってみせた顔は


嫉妬、悲しさ、愛情、怒り、
全てが混ざった歪んだ表情だった。






ーーー…一度だけ、
一度だけ起こしてしまった過ちで、

優しかった彼はいなくなってしまった。





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