抱 き し め て 【神威】

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手にべっとりついた…





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黒兎の血






「………く、、くそ…っ」


「悪いけど俺の方が上手だったようだネ」


「………っがはっ」









その場に倒れた黒兎

俺の勝ちだ
そう確信した、そのとき
黒兎は小さく息をしながら言う








「………俺が死んだとしても
あいつが幸せになることはない…



これからもずっとあいつは
自分の哀れな人生を歩むだろう…」


「………Aが幸せにならない？
そんなのお前のばかげた考えだ





幸せにならないんじゃない、
少なくとも俺が





幸せにさせてみせるさ」



「………ははっ、どうだろうな…」









死んだのを確認する
ぽろっと懐から落ちてきた写真



それにはAと別の女、それと
黒兎と……もう一人の男が
乗っていた









「…………こいつが潤、か…」









Aの隣でにかっと笑っている
様子からわかった

隣のAも幸せそうな笑顔を浮かべて
いた








「………悪いけど、
お前と俺とじゃ違うから

Aは俺に任せて」








写真の中にうつる潤に
そう言うと俺はその写真を
ちょうど吹いた風に任せて
飛ばした








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