抱 き し め て 【神威】

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安心したのも束の間
聞こえてきた琥珀の叫び声に





私は取り乱す






そんな私を神威がなだめ
私と神威は叫び声の聞こえてきた
ほうへ向かった







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そこには





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首を掴まれ、腹部あたりから
血を流す弟の姿と







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「久しいな、A。
これでお前の大事なもの
全て奪ってやったぜ」







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にやりと笑う黒兎の姿だった





私は無我夢中でそいつのところまで
飛んでいき、足で蹴とばそうするが






掴んでいた琥珀を首ごとこちらに
投げ飛ばしてきて





私は間一髪で弟に攻撃しそうになった
のをなんとか防ぎ、飛んできた琥珀を
受け止めた








「ガハッ……」





「琥珀……！！」








受け止めて地面に降ろす




琥珀の腹部から大量にでてくる
血液の量







潤くんのときを思い出してしまう
私はまた同じように
腹部を抑えて血を止めようとした









「………やだやだ……っ」







「……A」







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神威が私の前に立ち
黒兎をみる





後ろにいる私からは
見えないけど







怒っている








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私は震える声で神威に言った







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「神威……、助けてっ………」







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