【◇】好き×嫌い

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ようやく野球部員たちにも冬休みが来た。休みの間は成宮くんに会いえないなと思っていたら、お正月に会おうと言われた。多分、デートかな？




「ふふ」




家のベッドの上で一人で笑う。もしここに白河くんいたらまた「気持ち悪い」と「きもい」って言われるだろう。今日は大晦日ってこともあり、家の中はバタバタとお掃除中。




疲れているので掃除する気にもなれず。ただゴロゴロしていた。




「A、いいかげん掃除しなさい！」

「後でするからー…」

「今しなさい！！」





お母さんに怒られ、渋々腰をあげる。去年、大掃除してないから今年はたくさん処分しないといけない(らしい)。


タンスの中を引っ張り出して、もう着ない服を袋に入れていく。そんな作業を1時間続けていた。





「…………あ…懐かしい…」





出てきた写真。中学のときのだ。修学旅行で御幸くんと撮ったツーショット。確かあのときって友達が気を利かせてくれて。二人きりで京都の街を回っていたんだってけ…。





"ときめかないものは捨てなさい！"

前にテレビであった掃除の仕方。
ときめかない？いや……ときめいた。感傷に浸っている自分がいる。思い出を捨てることは出来ず……捨てれないなぁ。






「……捨てなきゃだめなのかな…」

「捨てれない？」

「お姉ちゃん？！」






後ろから顔を出すお姉ちゃんに驚く。写真をお姉ちゃんに撮られた。私、未練タラタラじゃん。馬鹿みたいに…。





「私が持っててあげる」

「…」

「あんたねぇ、忘れるって言ってたじゃん」

「………そうだけど…」





下を向く私の頭をポンポンと叩いたお姉ちゃんはそのまま部屋を出ていった。気合を入れ直し、御幸くんとの思い出は全てダンボールに詰めて押入れの奥に入れておいた。





「これでよし」





パンパンと手を叩いて、リビングに行くとケーキがあった。ご褒美とお母さんが買ってきてくれたみたい。さすがお母さん。





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続編行きます！

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