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チュンチュンと鳥の鳴き声。気分は爽快で、目を覚ます。
「(……ん?!)」
やけに温かい。人の体温っていうの?背中に感じる温もり。胸の下にある腕に一瞬疑いをかけ、戸惑う。くるっと寝返りを打ってみると、温もりの正体を発見し、少し体勢を理解するまで固まって、叫んだ。
「きゃぁぁぁぁぁあああ!!」
◇◆◇
「鳴、その手跡どうした」
「はははは!!ウケる!」
ぎゃははとみなが笑う。ごめんなさい、ごめんなさい。隣の成宮くん不機嫌です。私のせいです。
「まじで痛い」
「ごめんね…。で、でもまさか一緒に寝てるなんて思わなかったし!」
「Aが爆睡してたから仕方なくだよ!!」
「だから、ごめんってば!」
さっきから何度も謝っているけど、私の叩き方が強すぎたのか許してくれない。でも、成宮くんのことだからきっと許してくれるはず。
「今日の朝ごはんプリンだ」
「……あげないからね?」
「い、いいよ!」
「期待してたでしょ?」
期待はしていた。くれると思ってたし…。椅子に座って食べていると私のプリンを取った彼。ここは昨日ケーキもらったし私が引くしかない。けどね…。
「A」
「……」
「A、こっち向いて」
無言でご飯を食べている。私が悪いのはわかってるけどね、さっきから冷たいから。成宮くん。
「こっち向けって」
「むっ…!」
むっとして顔を向けると口にスプーンを突っ込まれた。もちろんそれはプリンで。もぐもぐとしたあとに飲み込んだ。
「俺はAの寝顔見れたから別に問題ないよ(あったけど)」
「………もう……そういうことすぐ言う…」
「ふふ。可愛い」
彼には到底敵いっこない。少し離れていた椅子を成宮くんの方に詰め寄せ距離を縮めて朝ごはんを食べた。
「昨日はいい夢見たよー。Aはなんか夢見た?」
「うーん…」
「?」
「覚えてないや…」
夢は見た。だけど、夢の内容なんて言えるわけないじゃん。御幸くんの夢見たとかさ…。
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美桜(プロフ) - yunさん» ありがとうございます…!実は私もyunさんの小説読ませてもらってます(笑) (2016年11月19日 20時) (レス) id: e5ec75c733 (このIDを非表示/違反報告)
yun(プロフ) - 密かに読ませて頂いております。大学受験大変だと思いますが、無理されず頑張ってくださいね。 (2016年11月18日 20時) (レス) id: c655f2b903 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 永遠さん» ありがとうございます!頑張ります (2016年11月17日 23時) (レス) id: e5ec75c733 (このIDを非表示/違反報告)
永遠(プロフ) - 大学受験頑張ってください! (2016年11月17日 21時) (レス) id: 063fb754ef (このIDを非表示/違反報告)
kel* - こんにちは!! あの小説まじドキドキしました!! 今度はもっといいの待ってます!! (2016年10月18日 20時) (レス) id: d4f75c9526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美桜 | 作成日時:2016年10月16日 16時