愛 の 行 方 【神威】

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「美琴を離せ」




「俺がそんな簡単にこのガキを
離すと思うか？」






相手の殺気に俺も殺気を込めて
言葉を放った







互いに動じず
美琴が男の腕の中で泣いている







「……俺の名は暁
神威、お前に復讐するためにここに来た」





「離してっ！パパぁ！！やぁだぁぁあ！！」






「うるさいガキだ」





暁は美琴のチャイナ服の首根っこを
掴み、美琴の首をトンっと叩いた





その痛さに美琴は気絶する






「お、お前ッ！！」





「安心しろ。死んではいない。
まだ(・・)な」







「何が目的？」






美琴を片手で担ぐ暁に
殺気を送りながら尋ねる







なぜ俺なのか






「お前の首だ。
このガキは預からせてもらうぞ」





「ッ！」




「まァ可愛がってやるから安心しろ」






その笑みには言葉通りの"可愛がる"と
いう意味はないだろう





「じゃあな」








マントを翻し走っていく暁







俺は叫んでそいつの後を追う






「美琴を返せッ！」





後ろから飛び蹴りしようと
地面を蹴ったが、暁に当たることなく
地面に大きな穴が空いた







「美琴…………美琴ーーーーーーッ！！！」







暁の気配がなくなった







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