モデルとデザイナー【三ツ谷隆】

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「俺、お前のこと好きだよ」



これは何かのドッキリの撮影だろうか。
もうじき扉を開けて【モニタ○ング】と掲げ、ドッキリ大成功とドンドンパフパフ鳴り響くのだろうか。そうだとしたらタチが悪すぎる。泣くぞ。



ーーー…………。



「………へ？」



だけどそんなものはどれだけ待っても来なかった。今の私は顔が真っ赤だ。隆の言葉が何度も反芻して混乱させてくる。好き？それはどういう意味の好き？妹みたいな家族愛？それとも、恋愛的に？


いろんな疑問と共に小学生の時にした一世一代の告白で撃沈したのを思い出す。いや、やっぱりそうか、恋愛的に好きではなく、家族愛みたいなものね、はいはいと自己完結。



「私も隆のこと好きだよ〜！」



Gの出現で腰を抜かしてしまっている私に、合わせるように隆は膝を曲げた。時々見るからわかる。その照れた時の仕草。



「……………っ、」

「妹みてぇじゃなくて、女の子としてAが好きってことだよ」



極め付けは「お前、俺に可愛いって言って欲しいんだろ？」だ。頭の中はもう混乱と嬉しさでいっぱいいっぱいだ。なんで知ってるんだ私の願望を(※雑誌の取材のことは忘れてる)


隆の手が肩に乗って、ビクッと反応する。
彼は「お前どんだけ混乱してんだよ」といつものように笑っては私の額にキスをした。



「三ツ谷隆！！！」

「お、おう？」

「天然タラシめ！こ、この人気モデルAちゃんをまた惚れさせてそんなに楽しいか？！」

「なに怒ってんだよ」



ここまでされたらドッキリでも、家族愛でもないって思わされる。


隆の手が伸びてきて私の頬をゆっくりと撫でた。この手が好きなんだよ私。暴走族の弐番隊隊長のくせに、家では妹たちの面倒を一生懸命見ているこの優しい手が。



「隆、この私が人生2回目の告白をするから心して聞け！」

「先に告ったの俺だろ」

「いいえ、私です」



モデルの先輩に教えてもらった。
こうすると可愛く見えるって。確信犯でも何でもいい。可愛く見られたいから。隆の服を掴んだ。



「私、隆のことがずっと好きだった」



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