3話 ページ3
『いやいやいや!それは流石に……!』
好きとか好きじゃないとか関係なく、異性にあ〜んは私にはハードルが高い、高すぎる。
しかも箸は一膳しかないからそれって間接的に……あっ、そう考えるとかなり恥ずかしい。
「恋人っていうのはそういうものだよ〜。お腹すいたから早く食べさせてほしいんだけど。」
凛月くん、本当に大胆だ。告白する前の塩対応はなんだったのか。
というか、これは諦めて凛月くんにお弁当を食べさせるしかないかもしれない。
『……はい、どうぞ。』
「ダメだよ〜、A。ちゃんと"あ〜ん"って言ってくれないと。」
……目の前の黒髪の美少年が、悪魔のように見えてきた。
『……はい、あ〜ん。』
恥ずかしすぎて顔が熱くなってきた。
付き合ってすぐに、こんなベタなバカップルみたいな事をしなくてはならないなんて。
「うんうん、褒めてつかわす……♪」
もしかして、これから毎日こんな小っ恥ずかしいことを……?
なんとかお弁当を凛月くんに食べさせてから数時間が経ち、今はもう放課後。
まだ入る部活も決められていないし、今日はプロデュースもないからそのまま家に帰ろう。
そう思って靴を履き替えていたら、誰かに呼び止められた。
「あっ……ねぇねぇ、A。」
今日は凛月くんによく接触される日なのかな。
『な、なぁに、凛月くん……?』
また昼休みのように、突拍子もないお願いをされるのかな……?
正直、こういうのはまだ慣れないから勘弁してほしいところ。
「明日って、どこかのユニットのプロデュースの予定とか入ってる?」
『ううん、まだ入ってないよ。』
「じゃあ、『Knights』のプロデュースを頼みたいんだけど。」
どうしてそんな事を聞いてくるのか、と思えば。
普通にプロデュースの依頼だった、警戒しすぎちゃったなぁ。
『分かった、いいよ。』
「それじゃあ、明日の放課後にレッスン室ね。」
『うん。また明日。』
そして凛月くんに手を振って、まっすぐに帰る。凛月くんは確か紅茶部だったから、その活動でもあるんだろうな。
それにしても、『Knights』かぁ。かなりの強豪ユニット、という話を聞いたことがある。
……そして、個性的なメンバーばかりだということも。
『Knights』のプロデュースは初めてだし、多少の不安はあるけど。
悩んでいても仕方ないし。折角凛月くんに頼まれたんだから、頑張ろう。
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海希 - とても面白くてニヤニヤがとまりません!!更新頑張って下さい!! (2018年4月30日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)
さばのみそにゅ(プロフ) - 凛希さん» ありがとうございます、そう言っていただけてすっごく嬉しいです…!途中で投げ出さないように更新頑張ります! (2018年3月25日 18時) (レス) id: 19489b3d3e (このIDを非表示/違反報告)
凛希 - とても面白いです!続きがとても気になります!更新頑張ってください (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0a9a82b85c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さばのみそにゅ | 作成日時:2018年3月20日 23時