＿＿黒。【呪術廻戦】

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『あの、携帯は昨日のあれで修理出してて…言うの忘れてたの、ごめんね』



彼は私を抱きしめたまま離さない

昨日もそうだったなと考えながら、本を持っていない方の手を彼の腕に添えた


『それと硝子と傑くんが何吹き込んだのか知らないけど…私本当に怒ってないよ？』


それを聞いた彼は私の肩を掴み、ガバッと離れた。


「……本当に？」

『うん、本当。あの2人に何言われたの？悟くんが騙されるのなんか面白いなぁ』


思わず声を出して笑う私に、悟くんはやられたとでも言うかのように顔を顰めた。

「…はぁ、まじかよ…」

彼はその場でしゃがみこんでしまい、顔を腕に埋めた。

私も同じように彼の隣にしゃがみこむ

『そんなことより任務お疲れ様。
怪我とか…はする訳ないか、悟くん最強だもんね』


髪の毛をふさりと撫でながら彼を見るが、擦り傷1つもない。あったとしても反転術式で治してるか…。


彼は私をちらりと見る


「約束、守れなくてごめん」


私の手を掴むと、するりと彼の指が私の指に絡まる


「楽しみにしてたって傑から聞いた、…今度は必ず行こ、」


そう言って私の手を優しくぎゅっと握りしめる

そんな彼にドキリと心臓が跳ねた


『…確かに、お出かけするのは楽しみにしてたよ。けど私…悟くんと居られるなら、何処でもいいんだ。

こうやって2人でいられるだけで十分なの』


こんなこと言うのは恥ずかしい、けれど伝えなくちゃいけないと思った。

恥ずかしがりながらもそう言って、返すようにそっと彼の手を握り返した







「………ほんっと、むり、」



『…え、？』




気づいた時には彼の顔がすぐ近くにあり、互いの唇が重なった。



こつんと、彼のサングラスが私の頬に当たる




「…邪魔」



触れるだけのキスをした彼は、サングラスを外す


顕になったその蒼い瞳は、いつ見ても綺麗だった



ばちりと、視線が絡む


彼と私の間にはもう、何もない。




「…顔、真っ赤」


『…っうるさい』




前にも、こんな会話をした。


急にこんなことされたら驚くし、今みたいに至近距離で見つめられたら顔は赤くなる。


彼は私の髪をさらりと撫で、指で髪を梳く。


そんな悟くんの表情は凄く優しくて、私を見つめるその眼差しからは''好き''という気持ちが痛いほど伝わってくる

この表情を、この眼差しを向けてくれるのは、私だけ。



甘くて、溶けてしまいそう。




彼は私の頬に手を添えると、また唇同士を重ね合わせた



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