ツン65% ページ35
Side 貴方
涙を流した私は、その日、図書室の隅で本を開いたまま授業をサボった。
初めて、全授業をサボろうと思った。
考える事は勿論まふくんのことで、脳裏に浮かぶのは、怒ったまふくんの顔、でもその表情はどこか傷ついたようにも見えて…
『あぁ!もう!わかんないよ…』
わからない…まふくんの気持ちがまふくんの考えが…天月くんと映画行くとまふくんは怒るの?悲しむの?…傷つくの?それって…
『嫉妬?』
その考えに辿り着いても、そんな事ないと勝手に決めつけ、そう何度も考えるうちに6限目のチャイムが鳴った…
『6限目…か…』
これが終われば、まふくんはあの人の元へ行く、そんなの嫌だ。
でも、それを止める権利は私には無い…
『どうすればいいのよ…』
初恋は甘酸っぱいだの、初恋は叶わないだの言うけど…それは本当かもしれない…
そう考えてると聞き慣れた声が、私しかいないはずの図書室に響いた
?「さっきからなに百面相してんだ〜?」
顔を上げるとそこには幼馴染のりぶくんがいた
『りぶくん…授業は?』
り「サボった…お前が言えたことじゃねぇだろバカが」
なんて言いながら、そっぽを向いて頭をポンポンと撫でる幼馴染…
『もう〜子供扱いしないでよ…』
少し笑いながら私はいつもの様に言った…が、りぶくんは真剣な表情のままだった
り「逃げんの?」
真剣な表情…真剣な声…いつも私を甘やかしてきた彼が、そんな顔をして来るとは思っても見なくて…
『な、何よ〜』
苦笑し、私の頭にまだ乗せられてる手を掴み離す、それでも彼の表情は変わらず真剣…
り「だから逃げんの?逃げて、Aはそれでいいの?幸せなの?辛くないの?」
『辛くない…わけないじゃん…でも!私には何もできないよ!』
つい声を荒げてしまった、それは何もできない私への怒り…いやきっと…
り「何もできないんじゃなくて、何もしようとしてないじゃん。止めようともしてないじゃん!待ってるだけじゃ何も変わらないし何も始まらない!好きなら態度で示せ、じゃなきゃ…伝わらないよ?」
りぶくんがそう言うと6限目の終わりのチャイムが鳴り、気がつけば私は勢い良く図書室のドアを開き、必死で教室まで走った…
言わなきゃ!言わなきゃダメなんだ!
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美雲 - 面白くて今日、1日でパート1から全て読んでしまいました!更新、お待ちしてます! (2020年3月20日 18時) (レス) id: 5c54d7ec1f (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - アスリさん» そうですかね?(笑)ちょっと丸くなったかもしれません! (2016年1月13日 19時) (レス) id: 17f5c0bd21 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - 夜猫さん» ありがとうございます!未だにこの作品のまふくんのキャラがどんなのかわからないですけど(笑)ツンデレに近づいてくれると嬉しい(笑) (2016年1月13日 19時) (レス) id: 17f5c0bd21 (このIDを非表示/違反報告)
アスリ(プロフ) - おーツンデレ率が7:3になっきた♪(´∀`*) (2016年1月10日 0時) (レス) id: 24e178830e (このIDを非表示/違反報告)
夜猫(プロフ) - ツンデルは思ってることを間逆に言ったり?たとえば『好き』っていいたいのに『きらい』って言ったり照れ隠しのとき冷たい態度になるとかですかね?あまりあてにしない方がいいですよ←←←← (2016年1月9日 21時) (レス) id: bf8d0cbdd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花ノ絵 | 作成日時:2015年12月25日 12時