誰に甘えるor甘えられる…？【歌い手】

15種類の結果パターン

すき - 2024年5月4日

アンダーバー

＊＊＊

「はぁ…」


テストの点数が悪くて気分は雨模様。

天気も私と同じで同情するが自分自身が悲しくなるだけだからやめにしよう。


よし…笑顔笑顔。


なるべくいつもと変わらないように平然を保ちながら部室に入る。


「ひゃっふぉーYOUふぁん。」

「…アンさん口の中にせんべいを入れたまま話さないでくださいよ。」

私がよいしょ…とリュックを置く。

アンさんはごくんと、せんべいを噛んでから飲むと私の方を見てきて首を傾げた。


「…？YOUちゃんなんかあったの？」

「えっ…いや…」

そういいながらせんべいを一口かじる。

と、私より一回りほど大きい手が私の頭に乗って二回ぽんぽんと撫でられた。


「なんかあったら言ってね？」

「…アンさんはなんでもお見通しですね…」

「そりゃ貴女の彼氏ですからね。」


くっくっ…と喉を鳴らして笑うアンさん。

黙って隣に座らせてもらう。


「あの、テストの点数が悪くて…」

「…今度一緒に勉強会しない？二人っきりで！」


なーんちゃって！と笑うアンさんに笑顔を浮かべる。


「それいいですね。アンさんの家でしましょう？」

「…マジですか。」

「はい。マジです。」


アンさんのせんべいを食べる手が止まった。

二人っきりか…なんて呟いている。


「それは駄目だよ。」

「なんでですか？」

アンさんから言ったのに…と少し不貞腐れたように言うとわかりやすく動揺している。


「ーっだめったら駄目。」

「はいはい…わかりましたよーだ。」

いいもん。まふくんと勉強会するから…と冗談で言ったのだがアンさんは黙ってお茶をのんでいる。


「…俺なにするかわかんないよ？」

「…本望です。」

「おーっと！今日はYOUちゃん甘えてくるねぇ…」


いいじゃないですか…と寄りかかる。

やっぱり頭を撫でられるから子供扱いしないでくださいと一蹴りした。


「……じゃあ…今週の日曜日ね？」

「…！ありがとうございます！」


アンさんは彼氏のはずなのにどうしてもお兄さんっぽい。

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