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6話 ページ7

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ダンデ「すっかり暗くなってしまったな…」




会議が終わり、急遽入った取材にも応え、
廊下の窓の外はもうすっかり日が暮れてしまっていた。


すぐ終わるだろうとエレベーター下で待たせていた
リザードンは待ちぼうけになってることだろう。





申し訳ないと思いつつ、足早に1階へ降りると
相棒がのんびりとした様子でお利口に待ってくれていた。


……が、その背中にはもう既に誰かが座っている。


無防備に投げ出された細い腕と脚を見るに、
子供だろうか…?





ダンデ「んー?……って、なんだ。Aか」





やけに見覚えのある寝顔。

普段とはうってかわってあどけなさが全面に出ているから
一瞬誰だかわからなかった。


リザードンと戯れているうちに寝てしまったのだろう。


これは初めてのことでは無い。





昔、弟にそうしてあげたように
Aを抱きかかえる。


なにか寝言を言った気がしたが、すぐに寝息が聞こえてきた。





ダンデ「すまないリザードン。ゆっくり休んでくれ」

『ばきゅぁ』






いつもならリザードンの背を借りて帰っていたところだが
夢の国にいる彼女を空の旅に連れ出すのは
いささか可哀想だろう。



リザードンをボールに帰して、
俺はタクシーを呼ぶことにした。








ダンデ「なんだか誘拐するみたいだぜ…」

「くぅ…すぅ……」








ほどなくしておおきなアオガラスが入り口に降りてくる。


彼女を奥の席に乗せたところで、
Aのまつ毛がゆっくりと揺れた。








「ん……あれ、ダンデくん…?」

ダンデ「おはよ。もう夜だけどな」

「んん…リザードンの背中があったかくて……」

ダンデ「わかってるさ。俺の家で良いか?」

「良くない……」









そんな会話もかき消すように、ふわりと機内が地面から離れる。


寝起きのせいなのか、不機嫌そうにAは口を尖らせていた。







「野宿でいいのに」

ダンデ「人の相棒の上で眠りこける悪い子には事情聴取だぜ」

「リザードンが乗っていいよって…」

ダンデ「言い訳も後で聞くから」








もう少し眠ってていいぞ、という意味を込めて

小さい頭を撫でてやる。







Aは「弟くんと同じ扱いすんなし」なんて
小言を言っていたが、

ほどなくして、規則正しい寝息がきこえてくるのだった。










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作者名:曙ぼあ | 作成日時:2023年9月11日 21時

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