4話 ページ5
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エンジンシティに入ってすぐ横にあるポケモンセンターへ
なんとか駆け込めた。
土砂降りなのはワイルドエリアだけのようで、
エンジンシティはポツポツと小雨程度が降っている。
ホップ「うぅ〜寒いぞ…」
「ホップ、私のタオル使いな?…ふぇくしゅ」
ダンデ「はは、君まで風邪ひいちゃうぜ。
これを……ぶぇくしっ」
キバナ「ぅぅ〜さみぃ〜…」
代わる代わる自前のタオルを回していく皆。
どうしようかと見守っていると、
近くで見ていてくれたらしい男性がこちらに寄ってきた。
男性「よければこのタオル使うかい?」
ユウリ「いいんですか?」
男性「あぁ…にしても、あのキバナさんとダンデさんと
一緒にいる君たちは何者なんだい?」
ユウリ「えっと…」
ホップ「俺は将来チャンピオンになる男だぞ!」
すかさず間に入って宣言するホップ。
人見知りしない性格はさすがだ。
男性は「あぁ!」と目を瞬かせ、にっこりと笑う。
男性「なるほど、チャレンジャーか!」
ホップ「そうだぞ!ユウリもだ!」
男性「へぇ〜、じゃぁライバルだ。
ちなみにあの子も?」
あの子、と指さす先にはタオルでわしゃわしゃ
髪を撫でられてるAちゃん。
ガーディみたいに吠えると
ダンデさんは楽しそうに笑いながら逃げ回ってる。
ホップ「Aさんは……とくに…?」
男性「ふーん?随分仲良さそうだけど、まさかどっちかの恋人とか…?!」
ユウリ「えっ」
ホップ「それは考えたこともなかったぞ!」
男性「ねぇねぇ!そこのお嬢さん!」
好奇心に満ち溢れた面持ちでAちゃんに声をかける男性。
ダンデさんが自然と間に立ち、
キバナさんがAちゃんの肩に腕を回す。
……いつ見ても番犬みたいな2人だ。
男性「ねぇ、君って何者なの?」
「え?」
男性「チャンピオンとそのライバルとこんなに仲良いなんて…!
付き合ってるとか?」
キバナ「そうだと言ったら?」
「ちがいます」
キバナ「ノリ悪いなお前!」
ダンデ「仲のいい大切な友人だが?」
ユウリ「ただの友人とは思えないほど過保護」
ホップ「アニキたち、相変わらずだな!」
穏やかな口調に反して威嚇MAXのダンデさん。
さすがの男性も気まずそうに元いたテーブルへ戻ってしまった。
タオル返しそびれちゃった…。
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作者名:曙ぼあ | 作成日時:2023年9月11日 21時