10話 ページ11
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俺たちはそのままバウタウンで一緒に朝食を摂ることにした。
事の発端はソニアの独り言からである。
ソニア「そういえば最近個人で調査してる事件があってさ」
俺の家から出て、同じ道まで3人で並ぶ途中に
ソニアが何か思い出したらしい。
ソニア「数年前にあった海難事故あるじゃん?」
「……!」
ダンデ「あ、あぁ…」
ソニア「あれは『事故』ってことで片付けられたけど
私はちょっと引っかかる点がいくつかあってさぁ」
「それ、私も知りたい」
ソニア「え、ほんと?ていうかこの事件知ってるの意外!
ニュースで全然表に発表されてないのに…」
きょとんと目を瞬かせるソニア。
Aは何も言わないので、俺が補足することに。
ダンデ「Aはその事故の時、丁度船に乗っていたんだ」
ソニア「ええっ?! ご、ごめん…しらなくって…
私デリカシー無かった……」
ソニアはすぐさま話題を変えようとしたが、
Aがそれを止める。
「私は気にしないから。それより、『事件』のこと、
どれぐらい知ってるの?」
ソニア「えっと…まだ調べ始めたことだし…」
「……ねえ、調査に協力するから、私にも情報を」
思わず、今度は俺が話を止めた。
ダンデ「なぁ、こんな所でするのもなんだし、
どっか朝ごはん食べに行かないか?」
ソニア「賛成!たまには気の利くこと言うじゃん!」
ダンデ「たまにって…」
ソニア「それならバウタウンに行かない?
モーニングのメニュー豊富だし、ほら、
ホップたちも丁度ジムチャレンジしに行ってるでしょ?」
ダンデ「いいな!」
「………」
そういうわけで、俺たちはバウタウンの中にある
シーフード料理のレストランにやってきた。
あまり来たことは無かったので、
丁寧な案内に思わず固くなってしまいそうになる。
そんな俺を見透かしてか、
Aが先に歩くように指示してくれた。
…敵わないな、まったく。
各々料理を注文し、テーブルに料理が到着したところで
さっそくAから本題に入った。
「ソニアさんが調べたこと、一先ずでいいから聞いてもいい?」
ソニア「うん……えっとねぇ」
俺は話を聞きながら口に料理を運ぶ。
隣に座るAはスプーンすら手に持たず、
何度か言わないとご飯を食べてくれそうになかった。
それくらい、ソニアの話に聞き入っている。
ダンデ「……なんか、悔しいぜ」
「? なに?」
ダンデ「べつにっ」
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作者名:曙ぼあ | 作成日時:2023年9月11日 21時