花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第8話 ページ10

部屋に1人置いていかれ






することもなく窓の外をぼっと見つめた






目の前には無限に広がる宇宙の景色






星がこんなにも手の届きそうな距離にあるなんて






「吉原とは大違いね…」






無機質な空しか見てこなかった






こんなに綺麗な空を見たのは






吉原に連れる途中に見た景色以来だ






じっと見つめていても時間が止まってしまったようで







いてもたってもいられず部屋を出て







船内を歩き出した







歩いていると皆こちらと同じように







地球人と同じような見た目はしているが







神威の旦那と同じように






チャイナ服を着て肌も地球人に比べ白かった







「あんた、団長の連れてきた花魁か？

　酌してくれよ」







「俺にも酌してくれよ

　床までしてくれてもいいんだぜ？”花魁さん”」







「えぇ、ここに慣れたらお酌も床も喜んで」






ニコリといつものように笑い






その場を逃げるように避けて行った







仮にも雄と女








地下も宇宙も変わらないのだ







どこまで歩いても窓の外は同じような景色







肌が白く同じような血の気の多い天人だらけ







暫く歩き回ると







「奥まで来過ぎたかしら。」






どこにいるかもわからないままフラフラと歩き続けた







「おい女、どこの所属だ」







「あの、私…」







どこの所属など先ほど寝起きで聞いたばかりで







覚えていなかった








「あ？何も言えねーのかこのアマ」







「なら女らしく犯 されてもらおうか？？」







腕を伸ばされ、掴まれた時







「何してるの？」







その声の後には目の前の男達が奥まで飛んでいった







「え？」







「だから、ここで何してるの？」







聞き慣れた声がして振り返ると







「神威の旦那？」







いつものように微笑む顔はどこか怖くて







名前を呼んでからは何も言えなかった







「こんなところで何してるの？

　部屋でいい子にしてなきゃダメだろ？」







「おいおい、こんな好き勝手されちゃあ

　おじさん面倒見きれねぇぞ

　この、すっとこどっこい」







「ごめなさい、私ご迷惑かけるつもりは…」







「阿伏兎〜、女の子のこといじめちゃダメだろ？

　俺の期待してる女なんだから」







そういいながらまた彼の部屋へと







当たり前のように連行された




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