花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第4話 ページ6

日輪様の部屋の前につくと






そこからは信じられない光景が広がった







血のつながらない母の為に







その小さな体を扉に打ちつける子供







背後から飛んできた木刀によって扉が開かれると







皆が焦がれたあの日輪様が涙を流しておられた







親子が抱き合う時に見せた日輪様は







ボロ雑巾に縋る1人の母だった







(これが親子の愛…？)







そして初めて見た “侍”






聞いたことのない人種だった







目は死んでいるのに魂は死んでいない







酒の為に1人で鳳仙様に挑んでいった命知らずの人種






「死んじゃうよ…」






ポツリと呟く







しかし目の前の夜兎族も命知らずだった







「たかだか酒一杯のために夜王に喧嘩を売るとは

　地球にもなかなか面白い奴がいるもんだネ？

　鳳仙の旦那」






鳳仙様の肩に手を置くと






鳳仙様はイラついたように






神威の旦那に一発を入れようとするが






「よっ…と」






神威の旦那が私を抱えてウサギの銅像に飛び移った






「お〜怖っそんなに怒らないでくださいよ

　心配しなくてももう邪魔はしませんよ」






鳳仙様は神威の旦那に怒り口調で話し出す







「神威！貴様何が目的だ！

　ワシの命を取ろうとした次は

　童を手助けし、日輪の元まで手引き…

　そうまでしてワシの邪魔をしたいのか」







それともと言葉を続ける鳳仙様に







小さな声で何かを言っていたが聞こえなかった






「A！お前はなぜ此処にいる！

　お前までこのワシの邪魔をするか！！」







「ちがっ…「こいつは俺が連れて行くヨ」







反論しようとすると遮られる







「Aと仲良くしろっていったのは

　鳳仙の旦那だろ？」







「戯けが…

　貴様はこの次だ」







「ホント、怖いネ？」







にこりと此方に微笑んでくる彼






その直後







侍と夜王の闘いは始まった




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