花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第45話 ページ47

船へと戻り





晋助の旦那と明後日の出港までの打合せをする






酌をし、されながら2人して煙を燻らせ話した






「明日は白いお巡りの様子を少し見に行くだけだ

　昼にはここを出るぞ」






「わっちらが用あるのはこの星です

　春雨の武器を倉庫の輩が横領してるらしくて」






地図を指差しながら話す






「族を消すだけならそう時間もかかんねぇだろ

　お前とのこの時間ももう終わりだな？ｸｸｯ」






「あら、惜しんでいただけるの？

　前はやることやってさっさと帰ってたじゃない」





そういうと言葉の代わりに此方の顎を掬われる






少し後ろへとよろけ、旦那と壁に挟まれる






「言っただろ?良い女になったって」






徐々に近づいてくる見慣れた整った顔

　




先ほどまで吸っていた旦那の煙管の香り






その光景をただじっと見つめていた






「ｸｸｯそんな顔されちゃあ、したくてもできねぇよ」






「そんな顔？」






「明らかに俺が求められてねぇ顔だ」







気にすんなと言われ離れて







旦那はまた煙管に火をつけた







「それじゃあ今日はお暇させて頂きます」






とだけ伝えそそくさと部屋を後にした

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長居したこともあり廊下は既に薄暗い





人通りもあまり多くなく






少し薄気味悪いぐらいだった







部屋へ戻るための最後の曲がり角を曲がった時






ゴツっ






「あ、しつれ….」







「…どこ行ってたの?」







人にぶつかり謝りかけるが相手の言葉で遮られた






「なんで…いるの？」






「Aが心配で、勝手に来ちゃった」






心なしかいつもよりもニコニコ顔の神威がいた






「探したヨ？

　Aの部屋に行っても誰もいないし、

　こんな時間になっても戻らないし」






戻らなかった訳を言おうとすれば






こちらの匂いを嗅ぎ彼の表情が曇り






いつものニコニコ顔が歪んだ



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