花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第41話 ページ43

目が覚めるとAはいなかった






と言うより俺の起床時間が遅いだけ







「いつもなら起こしてくれるのに…」







ベッドの上で1人ムスッとして







一度自室に戻ろうと部屋を出ると







「昨晩は楽しんだか？」






晋助がたまたま通った






「アンタには関係ないよ」






ニコリといつもの笑顔を向けて横を通り過ぎる







少し後ろで喉を鳴らしたような







特徴的な笑い声が聞こえた



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部屋に戻り身支度を整えて会議室へ向かっていると






遠くの方で廊下を曲がるAを見かけた






急いで追いかけ声をかけようとしたが






書類を見ながら部下と話していた






「後でいっか…」






少しムッとはしつつも会議室へ大人しく向かった


.
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会議を終えてから彼女を探すが






「いないなー」






見当たらなかった






翌日も更に翌日も何日もの間






廊下で少し見かけて追いかけるがすぐに見失ってしまう







「……ってことなんだけど

　どうなってるわけ？俺避けられてるよね？」






「だろうなぁ」






阿伏兎を横に座らせ酒を煽る






「アイツ明日からだろ」






「なにが？」






「このすっとこどっこい

　自分が連れ込んだ部下の仕事くらい

　把握しとけってんだ」






お猪口に入った酒を飲み干した阿伏兎は






こちらのお猪口と自分のお猪口に酒を注ぐ






「あぁ…長期任務か

　俺もついて行こうかな」






「そんなこと許すかよォ、アホ団長」







「………はいはい」






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ここ数日神威を避けてしまっている







明日から長期任務だがここまで避けてしまうと






どうやって接したらいいのか最早わからなかった







「……一旦距離を置くのも大事かもしれないし」






と、自分に言い聞かせ






長期任務へ備えて早々に部屋へ戻った
　





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