花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第33話 ページ35

「高杉さんこんな別嬪に会いに

　毎度吉原にいってたんですか？

　俺たちも誘ってくれよぉ〜」






「こんだけの上玉だ、

　酌してもらう席を作ってもらうのに

　どんだけ時間かけたと思ってんだ」






いつものように喉を鳴らしてｸｸｯと笑いながら






お猪口をこちらに差し出してくる






話を黙って聞いていると






「まぁ、どんなに貢いでも落ちやしねぇがな」






と、口元をにやけさせながら言う晋助の旦那







「よく言うわ？私に飽きて他の遊女に

　貢ぎにいっていたじゃないですか」






「お前が振り向いてくれないから

　手荒な真似に出たんだろ」






「2人して辞めてヨ

　Aはどんなに貢がれても

　俺の方が良かったから

　俺の所にきたってことでしょ？」






間に入ってきた神威に2人の会話が途切れる






「野郎2人が女1人取り合うなら

　口よりもっと早ぇ方法があんだろｸｸｯ」






「確かに1番早い勝負方法があったね」






と、各々が口にしながら






片方は刀に手をかけ






もう片方はぴょんぴょんと準備運動をしだす







「はいはい、お2人さんそこまで

　宇宙産と暴れん坊と地球産の暴れん坊が

　こんな所で殺りあうには狭すぎるだろうよ…

　酒の席でやりあうなら拳じゃなく

　酒で勝負しろってんだ。このすっとこどっこい」







さらに間に入った阿伏兎が一升瓶を







2人に1本ずつドンっと置く







「地球産が夜兎に勝てるわけないヨ」







「餓鬼負けるほど柔じゃねぇ」







阿伏兎の言葉に文句も言わずに







2人が向かい合って胡座をかく







そして、2人の間に手を出し静止させ







「よーい、始め！！」







酒の煽り合いが始まった




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