花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第27話 ページ29

「ちょうかはんか…

　ちょうかはんか…」





ウフフと女の不敵な笑いが牢獄にひびく





「……半だ」






「うふふ…残念〜

　“丁”じゃ」






「ありゃりゃ

　今度はアンタが死ぬ番だね

　そいつは呪いの博打だよ

　負けたやつは必ず不幸になるのさ」






どこか面白そうに話し出す







「俺もAも負けたんだから間違いない」







向かいの牢屋で未だ眠る彼女に視線を向ける神威






それを見てフッと笑う侍







「殺しても死なねぇ化け物が抜かしやがる」






手当までされていることに気づく神威に






「あの花魁、強ぇーじゃねーか

　お前ほど毒には慣れてないみたいだが

　ｸｸｯ…手当てはしといたぜ

　何度見てもイイ身体してる」






そう告げ反対側の牢屋に視線を向け






怪しく笑う目の前の男






「あんたAの顧客？

　…でもAが無事ならよかったヨ

　手当てしたのも公開処刑でもして

　他の連中に見せしめにするためだろう

　日取りはいつ？」







「…３日後だ」







「３日か…

　俺とアンタどっちが先に死ぬかな」






そして見透かしたように






春雨がどんな組織であるか言葉を並べる






気づいているはずの侍に






「ウチの力を利用し幕府を打つなんてできやしないよ

　どれだけ運を売っても

　利用されるだけ利用されてお払い箱さ」

　




なぜ春雨(ここ)ここにと疑問を問えば






こちらと同じと言う






「こんなオンボロ船じゃどこにもいけやしねぇ

　どうせ乗るなら

　テメェのようなやつの船に乗ってみたかったもんだ」

　




そしてその場を後にしようとする






「……待って、晋助の旦那

　最後になる、残りの3日

　旦那の煙管を貸してくんなまし…」







「ｸｸｯ…お目覚めか

　いいぜ、お前の最後の日に返せ」







そう言って火種と煙管を貸してくれる







「じゃあな、宇宙の喧嘩師さん」







そう言葉を残しその場を去っていった




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