花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第25話 ページ27

「やっ、また会ったね」





薄暗い春雨本艦の通路






男が2人






「単刀直入で悪いんだけど

　どのタイミングで言っても驚くだろうから言うよ」






白服の男は楽しそうに話を進める







「…死んでもらうヨ？」






そう宣言されても尚黙っている男が口を開く






「…別に驚きゃしねーよ

　最初に会った時からツラにそう書いてあったぜ」

　





「流石に察しがいいや」






わざとらしい言葉に続けて






“侍”とずっとやり合ってみたかったと口にする







「奇遇だな俺もその白髪のバカ侍を

　殺したくてウズウズしてんだ」






「…察しがいいと言うより

　超能力でも使えるみたいだね

　その左目に秘密でもあるのかな」






徐々に殺気立つその空間







「神威！！」






アイパッチをつけた猫を筆頭に






天人が同じ場所に集まってくる






「邪魔はするなと言ったはずだよね？」






「邪魔なんざしねーさ」






その言葉を合図に男の背中に矢が刺さる







白い服に徐々に広がる赤い血







狙われているのは侍ではなく兎だった






危険すぎる兎であるから







「こいつあまいったね

　提督に一本取られるたァ」







「バカは代わりに俺が殺っといてやらァ

　だから安心して




　…死んでいきな」







一瞬にして刀は男の身に一太刀を入れた







ﾀｯﾀｯﾀｯ…！！







「神威！！！」







そして女の声が響き渡った



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