花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第22話 ページ24

団長会議から３日後




「ただいまー♡」




と、思い切り扉を開けてきた神威





「おかえりなさい“お仕事”どうでした？」





少しばかり阿伏兎の気持ちがわかった気がした





仕事と嘘をついて吉原へ行った彼に少し腹が立ち





嫌味っぽくいってみる





「あり？A怒ってる？」





「いえ、変わりないです」





「まぁそんなことより

　この部屋の外にある荷物運ぶの手伝って」





仕方ないと思いため息をひとつ吐き廊下に出ると






「え、何買ってきたの？」






「Aの服だヨ

　流石に俺のをずっと着るなんて嫌だろ？」





いつものようにニコリと笑う彼の背後には






沢山の紙袋と靴箱





「ぁ…ありがとう！神威！」






苛立ちを忘れて廊下へ飛び出す






「これとか似合うと思うんだけど」





そう言いながら取り出したのは





黒から白のグラデーションに





金色の糸で刺繍を施されたチャイナドレス





「…！」






それを見て黙ったこちらを不思議そうに見つめる彼






「気に入らなかった？」






「ううん、すごく綺麗」






「じゃあ着てみてよ」






そう言われ外の荷物を先に入れようとすると






「いいよ俺が入れとくから着替えてきな」





「ありがとう」






感謝を伝え、そそくさと着替えに向かった





ーーーーー


廊下の荷物を部屋の中に入れ





Aが出てくるのを待つ





「どー？着替えられた？」





そう問いかけると脱衣所の扉が開き





「…どう？

　チャイナドレスちゃんと着るの初めてで…」





そう言いながら少し照れながら出てきた彼女は






驚くほど美しく、似合っていた






「さすが花魁まで上り詰めただけある

　何着ても似合うネ」






「その言い方うれしくない

　もっとマシな言葉はないの？」





「似合ってるって褒めたつもりだったけど」





モテてたから女の子を気遣った言葉なんて





考えたこともなかった






ﾄﾝﾄﾝ






「Aーいるかー？」






阿伏兎がAを呼びにきて






扉を開けに向かう彼女






(あ、綺麗だって言うの忘れてたな…)






ｶﾞﾁｬ






「エラく綺麗になったなA」






「ﾌﾌｯありがとう阿伏兎」






「団長戻ってきてたのかよ…！」






はいはいと阿伏兎の話を流して






不在の間に起こった話を聞き始めた



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