花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第21話 ページ23

会議が終わり





団長方が解散していった





「ここのお金を持ち逃げなんて

　大胆なことをしたのね」





「ここに喧嘩売ったんじゃあ

　あのアホ提督もお怒りだろうよ

　捕まるのはすぐだろうな」





綺麗だったんだけどなぁと嘆く阿伏兎





部屋に戻る途中





阿伏兎は報告をしに行くと途中で別れ





コツコツと歩く度に音がこだます廊下に





自分以外の足音が聞こえてくる





聞き慣れない音、ずっているような音だった





足音の主が段々と見えてくる





片目を包帯で隠し胸元がチラつかせ





煙管を片手に持った





「晋助の旦那…！」





侍だった





「あ？…Aか？

　何でここに居るんだ」





彼もこちらに気づき足を止める





「先月くらいから春雨第七師団の団員になりました」





そう言った瞬間に片手で顔を掴まれる





「お前がか？闘えんのかよ」





更に強めの力が加わっていき





「戦えてるから生きてるんでしゅ」





まともに話せなかった






「そうか、これからの活躍待ってるぞ」





応援してくれる言葉に笑顔を返すと





「A”花魁”

　アンタもうあの地下でしてたことはしてねぇのか」






「全くしてません…

　“もうしなくていい”って言ってくれたんです」





そう言ってくれた彼の顔を思い出す





「そうか、よかったな

　じゃあ酌もしてくれねぇって訳か…寂しいねぇ」





寂しいと言いながらも口元はにやついている彼





「晋助の旦那なら特別に

　お酌ぐらい幾らでも…

　ご贔屓にしてくれてたお礼です」





ニコリと笑って返すと





「そりゃあ楽しみだな

　そんときは朝まで時間貰うからな」





ｸｸｸｯと笑いじゃあなと言って去っていく





その後また部屋へと向かいながらふと思う





「…何で、晋助の旦那がこの船に？」





その答えはすぐにわかることとなるとは知らずに





ただ1人考えた




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