花魁させて頂いていた夜兎族です【神威】

第19話 ページ21

「…神威？」




2人の足音だけがこだます廊下




此方が足を止めると彼女も同じように足を止める




「A、男にされるがままに

　言うこと聞いちゃダメだろ？」





振り返ると不思議そうな顔をしている彼女





元花魁、鳳仙の言う事を聞いて男に奉仕を続けてきた





そんな人生だったのだから仕方ないのだろうが





「どうしていけないの？」





段々と小さな声になっていくA





「花魁じゃないんだから、

　そんなことしないでいいんだよ」





頭にﾎﾟﾝｯと手を置くとくしゃりと笑う





「そっか、ありがとう神威」





世の中を知らない子供に物事を教えている様だった





「これから吉原に行ってくるヨ」





「どうして？」




全く表情を変えずに問いかけてくる彼女に





少しの落胆を覚えつつ応えた





「吉原は宝仙の旦那が居なくなって

　無法地帯状態なんだって、

　だから鳳仙の旦那の残した

　第七師団団長の俺が行くんだヨ」





「そういうお仕事は阿伏兎に任せないのね？」





「地球のご飯は美味しいからネ」





それだけ伝えてまた歩き出す





またお侍さんに会えるかなぁ



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