第２４８話 リベルタという人間ｰ獄寺sideｰ ページ48
──獄寺side
雲雀の捜索のために地上に出たら、ブラックスペルとかいう奴らが襲ってきやがった。
その場にいた山本も他のヤツらも全員１０年前の姿に戻っちまって･･･しかも、１０代目にも、こんな酷いお怪我を･･･。
１０代目の怪我をヴァリアーの雲の守護者が手当している最中、ずっとチクショウと心の中で嘆いていた。
コイツの話じゃあ、傷は深ぇが致命傷ではなく、疲労で気を失ってるとの事だった。
クソ･･･オレが──オレがもっと強ければ･･･１０代目をこんなお姿には･･･！！
ギュッと手を握りしめ、情けねぇ自分が嫌になってうつむく。
さらり、と垂れ下がってくる横の髪がどこか邪魔くせぇ。
いつもなら、んな事も思ってるだろーが──そんなこと気にする余裕は、今のオレにはなかった。
──すみません、１０代目･･･。
ﾘﾍﾞﾙﾀ｢･･･これでよし･･･と。あとは意識が戻るのを待つだけだ。急に起きると傷が痛む。獄寺、一緒に──｣
手当てを終えたリベルタから聞こえた言葉は、突然予兆もなく途切れる。
なんだ･･･？
獄寺｢──･･･！？｣
不審に思い顔を上げてソイツの方を見てみると、すごく柔らかい表情を浮かべていた。
驚いた──いつも淡々としていて、表情を一切崩さねぇクールぶっているいけ好かねぇやつだとばかり思ってたが･･･。
ソイツの今の顔は、すげー優しさに溢れてて──どこか、Aっぽさがあった。
いや──そんなはずがねぇ･･･リボーンさんが言ってたじゃねーか。
Aもアルダも･･･妖術を使うヤツらは、ミルフィオーレファミリーにとっ捕まって──もうこの世には居ねぇって･･･！
ﾘﾍﾞﾙﾀ｢一緒いてやれ──って言わなくても、アンタならそばにいるか｣
柔らかい表情のままオレを見てクスッと笑ったリベルタ。
そして、すぐに目を閉じて｢頼むぞ｣と言い残し、その場を後にした。
──その時の表情も、どこかAみてぇで･･･。
獄寺｢･･･アイツ･･･何者なんだ･･･？｣
アイツの後ろ姿を見送りながら、思わず考え事が口に出る。
──もしや･･･アイツの兄弟･･･？
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2022年3月1日 16時
